研究課題/領域番号 |
19H04322
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研究機関 | 国立研究開発法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
熊谷 直喜 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物・生態系環境研究センター, 研究員 (00714221)
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研究分担者 |
G・MOLINOS JORGE 北海道大学, 北極域研究センター, 准教授 (30767281)
中村 洋平 高知大学, 教育研究部総合科学系黒潮圏科学部門, 准教授 (60530483)
久保 雄広 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物・生態系環境研究センター, 主任研究員 (80761064)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 気候変動 / 熱帯化 / 分布変化 / 社会生態学 / 群集シフト / サンゴ / 大型藻類 / 磯焼け |
研究実績の概要 |
海藻やサンゴ、魚類の地理的分布・生息水深に関係する海水温や光透過度、流速などの環境データを収集・整備した。さらに、海水温の将来予測値として、気候モデル の将来予測値(RCP2.6、RCP8.5)を整備し、同様に高解像度化した。対象海域について重点的に、研究対象の生物群の出現記録(在・不在)を論文、紀要、報告書などの文献から収集・整備し、データベース化した上でデータペーパーを出版した。また、海藻藻場やサンゴ群集が提供する生態系サービス(生物多様性、食料源、炭素貯留、沿岸地域の生活、経済、リクリエーションなど)を特定し経済的価値を評価するために、各調査地に対応した沿岸漁業や漁業資源利用についての記録の収集整備を進めた。 対象生物群の分布の緯度勾配と空間的相互作用、それらの年変動を捉えるための野外調査・実験を行った。高知県の南西端から東方の3地域、愛媛県の柏島以北の6地域、さらに各地域内に設けた各2サイトを設け、対象生物群の分布状況を調べるビデオトランセクト調査を行った。カメラは鉛直方向(海藻、サンゴ)と水平方向(魚類)の2台を1セットとし、カメラに取り付けた水深データロガーと海面に浮かせたGPSで3Dの位置情報を記録しながら遊泳し撮影した。また、海底に設置した海藻をビデオカメラで撮影し、魚類による植食圧の評価を行った。2019年の野外調査記録の解析により、水温勾配と季節、深度、沖合・内湾の環境の違いに伴う藻場とサンゴ群集、周囲の魚類群集の変化のパターンが明らかになった。これにより環境条件と生物群集の対応関係が統計学的に示され、沿岸生態系将来予測をする上で重要な結果が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19影響により、来日を必要とする海外の研究協力者が参加する現地調査、および2020年度の野外調査の実行に大きな影響が出ている。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度もCOVID-19影響が長く継続した場合、2022年度への繰り越しや、現地調査主体の研究から文献記録・web調査などを利用したアプローチへと変更することがあり得る。
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