研究課題/領域番号 |
19H04323
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研究機関 | 国立研究開発法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
竹内 やよい 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物・生態系環境研究センター, 主任研究員 (50710886)
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研究分担者 |
Gasparatos Alex 東京大学, 未来ビジョン研究センター, 准教授 (20726369)
祖田 亮次 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 教授 (30325138)
石濱 史子 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物・生態系環境研究センター, 主任研究員 (80414358)
鮫島 弘光 公益財団法人地球環境戦略研究機関, その他部局等, リサーチマネージャー (80594192)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 生態系サービス / 生物多様性 / サラワク州 / マレーシア / ホットスポット解析 / 地上部バイオマス |
研究実績の概要 |
生物多様性及び生態系サービスをWin-Winで管理することは、地域及び全球レベルにおいて必要かつ困難な課題である。特に開発の進む熱帯地域において、生物多様性と生態系サービスの空間的相互作用とそれを決める要因についての理解は急務である。まず本研究では、地域スケールにおける生物多様性・生態系サービスのマッピング及びホットスポットの特定とそれらと土地利用におけるトレードオフ及びシナジー関係について明らかにすることを目的とした。対象地域は、森林減少が進みつつも、局所レベルで多様な対応を示す地域であるマレーシア・サラワク州ビンツル省とした。今年度は主に以下の調査と解析を行った。 1)GIS解析による過去50年間の土地利用の変化の解析 この地域の主要な生態系サービスおよび土地利用である、生物多様性、炭素貯蔵、林業、オイルパームプランテーション、保護区、村をGIS解析によって分類・マッピングした。 2)地域の生物多様性・生態系サービスのマッピングと土地利用変化ドライバーの影響の解明 2-1. 種分布推定による生物多様性のマッピングについては、マレーシアサラワク州及びブルネイの標本庫を訪問し、フタバガキ科の標本データ、分布データ情報の収集を行った。その他、サラワク州に生息する絶滅危惧種哺乳類の種数についてもIUCNの分布情報を基に、GIS上でマッピングを行い、ホットスポットを特定した。2-2. 生態系サービスの評価では、特に地上部バイオマス量に関するGISプロダクトを用いて、ホットスポット解析を行った。 2-1,2-2の解析により、生物多様性と炭素蓄積がシナジー及びトレードオフ関係がある地域が特定された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現地調査、過去のデータの取得が順調に進み、GISデータ解析も実施できたため。
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今後の研究の推進方策 |
今般のコロナウイルス感染拡大予防対策の影響で、海外渡航が全面的に禁止されており、2年目以降に予定していた現地調査ができていない。これらの調査については、感染状況が収まり次第、順次実施する予定である。現地のカウンターパートとは、定期ミーティングを実施し、連携体制を維持するとともに、既存のデータを用いた研究について進める。
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