研究分担者 |
中村 愼一郎 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (20180367)
中島 謙一 国立研究開発法人国立環境研究所, 資源循環領域, 主幹研究員 (90400457)
大野 肇 東北大学, 工学研究科, 助教 (20769749)
武山 健太郎 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任研究員 (10882649)
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研究実績の概要 |
持続可能社会の実現手段として循環経済(サーキュラーエコノミー)の実現が求められている。循環経済をめぐる議論は多岐に渡るが、その定量的基礎として欠かせない全経済的な物質ストック・フローの長期的な挙動を統一的、一般的かつ定量的に捉えた手法は開発されていない。本研究の目的は、多物質・多元素を考慮した動的物質ストック・フロー解析モデルを世界に先駆けて開発し、その実証性をとくに国家備蓄対象となっている鉄鋼合金元素について検証することである。この目的のため、本研究はモデル開発、データベース開発、応用分析により構成される。このうち2021年度は主としてデータベース開発を実施した。 本研究の応用分析に活用するデータベースとして、合金元素の高効率リサイクルを目指したシナリオ分析に利用可能な鉄鋼スクラップフローのデータベースを、産業連関表を拡張することにより開発する。2021年度は、平成23年(2011年)および平成27年(2015年)産業連関表を対象としたデータベース開発を実施した。データベースに収録する金属元素は鉄(Fe)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)を対象とした。前年度までに開発した暫定版のデータベースについて、各種資料とその取り扱いを整理することなどにより、データベースの精緻化を実施した。とくに、産業連関表等推計のためのノンサーベイ法に準じた数理計画問題に基づく手法を適用した物質フロー推計を実施するため、産業連関表における商品・産業の分類と各種資料における分類の対応等を改善した。 さらに、7種の元素(Al, Cr, Fe, Ni, Cu, Zn, Pb)を同時に考慮した全球規模の動的物質ストック・フロー解析モデルを開発・応用し、循環経済政策や技術開発の金属資源循環への影響を検討する国際共同研究などを実施した。
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