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2020 年度 実績報告書

東南アジアにおける水銀使用時による持続的環境汚染修復と健康被害回避に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19H04334
研究機関日本大学

研究代表者

高樋 さち子  日本大学, 経済学部, 研究員 (00261644)

研究分担者 岩田 豊人  秋田大学, 医学系研究科, 助教 (00321894) [辞退]
近藤 良彦  秋田大学, 理工学研究科, 准教授 (00361238)
坂本 龍太  京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 准教授 (10510597)
上田 晴彦  秋田大学, 教育文化学部, 教授 (70272028)
趙 鉄軍  新潟食料農業大学, 食料産業学科, 講師 (70807718) [辞退]
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード水銀汚染 / 健康被害 / 自然環境汚染 / 伝統的小規模金採掘 / インドネシア共和国 / 自然環境汚染回復・修復 / 安全安心な生活
研究実績の概要

本研究は、2002年ヨハネスブルグでの「持続可能な開発に関する世界首脳会議」実施計画の①経済開発②社会開発 ③環境保全の基本構成3要素と2009年UNEP「水銀規制に関する条約制定および政府間交渉会議」と2015年「水銀マイナスプログラム」に基づき進める。研究目的は、1) 伝統的小規模金採掘地域の住民の水銀からの健康被害の回避、2) 水銀を利用しない小規模金採掘手法の開発、3) 水銀で汚染された自然環境資源の浄化・修復技術、4) 将来における持続的な安全安心な生活を形成することを提言する。
本研究から①水銀による健康被害の回避:金採掘地域の先天異常の出生率5%/年で増加傾向、また増加している流産数等も同時に減少できる。②水銀による環境汚染の回復技術策“Low Cost, Low Technology, Low Risk”を基礎とした汚染土壌、廃水中の水銀の回収、水銀のリユース技法の側面から提言となる。今年度は、目的の1)から4)の調査を実施するために、西ヌサテンガラ州スンバワ島、ロンボック島の土壌・水採取、分析を進めた。伝統的小規模金採掘現場周辺の土壌、水から基準値を超える水銀が検出された。ロンボック島南部地区の生活用水から基準値を超える水銀が検出された。次に住民の毛髪などの採取を検討することに至った。結果、現地基礎資料と調査から水銀環境汚染と健康被害を可能な限り定量分析(時系列分析)を実施、極貧地域で劣悪環境の下、稀少性資源金採掘をしている住民=Small Scale Minor、特に女性・胎児乳幼児を中心として環境保全と健康被害からの回避を究明する試料収集を進めた。今後「科学技術創造立国日本」が環境立国日本とし加えて最大の公害問題MINAMATA経験国として、開発途上国の稀少性資源金採掘時の水銀使用による環境破壊・環境汚染、健康被害の問題解決に取り組むべき緊急課題である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナ感染症蔓延により所属機関の渡航制限により令和3年度末までは、原則海外派遣・出張は行わないものとされたため、海外渡航、調査は不可能であった。また、令和4年9月頃から西ヌサテンガラ州海域では暴風雨・高波等の異常気象発生でスンバワ島の移動手段である船舶・フェリーが欠航し、閉港となり現地調査はできなかった。その結果、代替調査地区の調査選定や調査依頼など実施をした。

今後の研究の推進方策

代替調査地区西ヌサテンガラ州ロンボック島南部地域で、水銀を利用しない伝統的小規模金採掘手法の検討、実験、水銀で汚染された自然環境資源の浄化・修復手法の確立を試みる。
従って、ロンボック島南部地区を将来における持続的な安全安心な生活を形成するモデル地区として、現地政府と議論の上、モデル地区の維持管理、他地区への実装を提言する。
また、毛髪、臍帯の分析は、インドネシア政府のMTAにより持ち出し禁止となり、インドネシア医学大学分析センターで分析を実施することに至った。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 東南アジアにおける伝統的小規模金採掘時の水銀使用の影響(I)2022

    • 著者名/発表者名
      髙樋さち子・近藤良彦・林武司・坂本龍太・竜野真維・I Gede Putu Wirawan
    • 雑誌名

      Working Paper Series

      巻: No.21-03 ページ: 1-11

    • オープンアクセス / 国際共著

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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