全国スケールにおける熱帯林保全政策の評価：ミャンマー・ カンボジアを対象として

2023 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 19H04339
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 審査区分: 小区分64060:環境政策および環境配慮型社会関連
• 研究機関: 九州大学
• 研究代表者: 溝上 展也 九州大学, 農学研究院, 教授 (00274522)
• 研究分担者: 太田 徹志 九州大学, 農学研究院, 准教授 (10753717) ; 志水 克人 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 研究員 (30868170) ; 御田 成顕 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (70800655)
• 研究期間 (年度): 2019-04-01 – 2023-03-31
• キーワード: 熱帯林保全 / ゾーニング / 森林減少・劣化 / 衛星画像

研究成果の概要

時系列Landsat衛星画像を用いて、カンボジア全土を対象に過去30年間の森林減少、森林劣化、森林回復の推移のマッピングを完成させ、ミャンマーにおいては衛星データSentinel-2が有効であることを明らかにした。カンボジア・ミャンマー両国において森林ゾーニング政策（保護区、保護林、コミュニティ林業、恒久林）によって森林面積の減少量と森林の質の劣化量が少ないことが分かったが、一方で、森林の面積と質いずれも低下していることがわかり、森林ゾーニング政策によって森林の減少や森林劣化を完全に防ぐことはできないと言えた。

自由記述の分野

森林計画学

研究成果の学術的意義や社会的意義

熱帯林保全政策（保護地域、コミュニティ森林、恒久林、木材生産のための生産林、地域消費のための生産林）の効果に関するこれまでの研究は個別の事例調査もしくは少数事例を国際的に統合したメタ解析に終始しており、一国スケールの保全対策に資する研究は極めて少なかった。これに対して本研究は、カンボジア・ミャンマーの一国スケールで解析したものであり、従来の国際的メタ解析では得ることのできなかった知見が得られた点に学術的・社会的意義がある。