研究課題/領域番号 |
19H04343
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
江原 誠 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (70781615)
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研究分担者 |
鹿内 彩子 青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (20758825)
古川 拓哉 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (40772116)
関山 牧子 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康領域, 主任研究員 (90396896)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 森林保全 / 開発途上国 / 栄養改善 / カンボジア王国 / 非木材林産物 |
研究実績の概要 |
カンボジア調査対象地の森林は、山菜・キノコ、野生肉など様々な食料を周辺住民に供給している。これらは日常的に入手でき栄養価が高い場合があるため、住民の健康維持に貢献している可能性がある。これを評価するために、本年度は下記の2点を実施した。 1) 住民の非木材林産物やその他の食糧の取得・生産経路を整理した。2015年と2019年における対象村の非木材林産物の入手源別の利用世帯数(複数回答可)を比較したところ、特に堅果、果物、レジン(液状、乾燥)、爬虫類、哺乳類、ハチミツなどで、2015年に常緑樹林から多く採取されていた資源の利用の減少が目立った。燃料材やタランチュラ、タケノコ、両生類など、利用の減少があまり見られなかった資源や、一部の村で利用が増加した資源もあった。また、REDD+プロジェクトの支援対象外のK村とP村ではレジンの利用者が5年間の間にほとんど利用をやめていた。 2) 2020年2月に実施した現地の161人の子ども(年齢:5~11歳)の食事摂取量(24時間リコール)と各食材の入手先の調査の一次分析を行った。その結果、多くの子どもたちが多くの栄養素の推奨食事量(RDA)を満たしておらず、一部のミネラルとビタミンの不足が深刻であることが明らかになった。また、購入した食品を取り除くと、ほとんどの子どもたちの栄養素の充足率がRDAを下回ることがわかった。主要栄養素と一部のミネラルとビタミンの充足度は、自家製食品を除いた場合に低下し、野生食品とおすそ分けを除いた場合の影響は小さかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
初期計画で予定していた日本人渡航によるカンボジア現地調査を、新型コロナウイルス感染症の影響による当所の研究活動指針等を踏まえ、延期したため。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の影響によりデータ収集のための現地調査が実施できない可能性もあることから、既存のデータでの分析を試みる。
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備考 |
researchmap(江原誠) https://researchmap.jp/ehara researchmap(古川拓哉)https://researchmap.jp/tkyfurukawa
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