• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実績報告書

ボルネオの原生林保護と先住民コミュニティの自律的生存が両立する持続的管理の条件

研究課題

研究課題/領域番号 19H04348
研究機関信州大学

研究代表者

金沢 謙太郎  信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 教授 (70340924)

研究分担者 祖田 亮次  大阪公立大学, 大学院文学研究科, 教授 (30325138)
加藤 裕美  福井県立大学, 学術教養センター, 准教授 (10646904)
佐久間 香子  東北学院大学, 経済学部, 准教授 (50759321)
分藤 大翼  信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 教授 (70397579)
泉山 茂之  信州大学, 学術研究院農学系, 教授 (60432176)
浅野 郁  信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 講師 (60840577)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワードボルネオ / 原生林保護 / 先住民コミュニティ / 自律的生存 / 持続的管理
研究実績の概要

本調査研究の対象地域であるマレーシア、サラワク州のバラム河上流では、2016年から地元住民とサラワク州政府は「バラム平和公園」という新たな森林管理のコンセプトのもとで協議を続けている。2020年に国際熱帯木材機関(ITTO)がバラム平和公園への支持を表明し、次いで日本政府はITTOによる「マレーシア・サラワク州バラム河上流における先住民コミュニティの参加による保全と持続可能な開発のための森林管理」と「マレーシア・サラワク州バラム河上流における森林経営および森林景観の回復におけるコミュニティのエンパワーメント」という2つのプロジェクトを通じて35万8千ドルの資金供与を行っている。
研究代表者はこれまでに同地域でジンコウ属ベカリアーナ種(Aquilaria beccariana)の地元住民の採集に同行し、調査報告した。地元住民はベカリアーナ種を「川の沈香」と呼んでいた。2000年代初めまで地元住民にとって沈香採集は最大の現金収入源であった。しかし、この地域にも、他の地域と同様に、外部からの侵入者による沈香の乱獲が起きていた。現地にはもう1種類、「山の沈香」呼ばれるミクロカルプ種(Aquilaria microcarpa)がある。地元住民の呼び名から、山の沈香と川の沈香の生育に適した環境は異なっており、川の沈香はより土壌水分量が高い平地に、山の沈香は土壌水分量が少ない斜面~尾根に生育していることが予想される。本年度の現地調査では、野生沈香の一部の分布特性を明らかにした。2023年10月開催予定の「沈香に関する国際科学シンポジウム 」において報告する。今後も野生沈香の保全に必要な条件について考察していく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

現地に渡航した際に新型コロナウイルスに感染し足止めされた。依然として感染拡大の影響が残っており、現地フィールド調査、調査結果の分析が十分に遂行できなかったため。

今後の研究の推進方策

地域情報の収集や現地カウンターパートと打ち合わせを継続しながら、渡航の可能性を見極めていく。

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件) 図書 (5件)

  • [国際共同研究] マレーシア・サラワク大学ボルネオ研究所(マレーシア)

    • 国名
      マレーシア
    • 外国機関名
      マレーシア・サラワク大学ボルネオ研究所
  • [雑誌論文] The Employment of Indonesians on Oil palm Smallholdings in Sarawak, Malaysia.2023

    • 著者名/発表者名
      Soda, R. and Kato, Y.
    • 雑誌名

      Space, Society and Geographical Thought

      巻: 26 ページ: 15-26

  • [雑誌論文] マレーシア・サラワク州におけるインドネシア人労働者のインフォーマル化――在地アブラヤシ小農との関係から2023

    • 著者名/発表者名
      加藤裕美・祖田亮次
    • 雑誌名

      福井県立大学論集

      巻: 59 ページ: 105-131

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 書評:林田秀樹編『アブラヤシ農園問題の研究 I【グローバル編】―東南アジアにみる地球的課題を考える』2022

    • 著者名/発表者名
      祖田亮次
    • 雑誌名

      人文地理

      巻: 74(2) ページ: 192-193

    • DOI

      10.4200/jjhg.74.02_192

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] GIS-based spatial correlation analysis: sustainable development and two generations of demographic changes2022

    • 著者名/発表者名
      Yaakub, N.F., Masron, T., Marzuki, A., and Soda, R.
    • 雑誌名

      Sustainability

      巻: 14 ページ: 1490

    • DOI

      10.3390/su14031490

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Habitat selection of large herbivores evidenced as threats to alpine ecosystem2022

    • 著者名/発表者名
      Takii, A.; Ozeki, M.; Takahata, C.; Izumiyama, S.
    • 雑誌名

      Acta Oecologica

      巻: 114 ページ: 1-11

    • DOI

      10.1016/j.actao.2022.103812

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 電子野帳システムを用いた植物繁殖フェノロジー調査の実践2023

    • 著者名/発表者名
      浅野郁・清水加耶・Meleng P・Hossman MY・Rahman MYA・市岡孝朗
    • 学会等名
      第134回日本森林学会大会
  • [学会発表] ボルネオにおける環境改変と人-自然関係2022

    • 著者名/発表者名
      祖田亮次
    • 学会等名
      大阪公立大学第7回アカデミックカフェ「火に関わる自然環境と人の暮らしー地質年代と現在」
    • 招待講演
  • [学会発表] ボルネオ島低地熱帯雨林における種子食性昆虫の多様性2022

    • 著者名/発表者名
      浅野郁
    • 学会等名
      昆虫DNA研究会18回研究集会
    • 招待講演
  • [学会発表] ボルネオの狩猟採集民シハンの移動と生業2022

    • 著者名/発表者名
      加藤裕美
    • 学会等名
      国立民族学博物館共同研究会『アジアの狩猟採集民の移動と生業―多様な環境適応の人類史』第1回研究会
  • [図書] 環境社会学事典2023

    • 著者名/発表者名
      金沢謙太郎(井上真編)
    • 総ページ数
      326
    • 出版者
      丸善出版
    • ISBN
      978-4621307540
  • [図書] ミクロヒストリーから読む越境の動態2023

    • 著者名/発表者名
      加藤裕美(王柳蘭・山田孝子編)
    • 総ページ数
      341
    • 出版者
      国際書院
    • ISBN
      978-4-87791-320-5
  • [図書] 人文地理学から見る世界2022

    • 著者名/発表者名
      祖田亮次(佐藤廉也・中澤仁編)
    • 総ページ数
      255
    • 出版者
      放送大学教育振興会
    • ISBN
      978-4595323249
  • [図書] Sika Deer: Life History Plasticity and Management2022

    • 著者名/発表者名
      Takii, A. and Izumiyama, S.(Kaji, K., Uno, H. and Iijima, H. eds.)
    • 総ページ数
      653
    • 出版者
      Springer
    • ISBN
      978-9811695537
  • [図書] 福井県大のリベラルアーツ2022

    • 著者名/発表者名
      加藤裕美(福井県立大学学術教養センター編)
    • 総ページ数
      101
    • 出版者
      福井県立大学出版部
    • ISBN
      9784910746012

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi