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2022 年度 実績報告書

アフリカにおける難民保護と持続性を有する「帰還」に関する実証的・理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19H04364
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

杉木 明子  慶應義塾大学, 法学部(三田), 教授 (40368478)

研究分担者 加茂 省三  名城大学, 人間学部, 教授 (10410771)
村尾 るみこ  総合地球環境学研究所, 研究部, 研究員 (10467425)
網中 昭世  独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センターアフリカ研究グループ, 研究員 (20512677)
落合 雄彦  龍谷大学, 法学部, 教授 (30296305)
眞城 百華  上智大学, 総合グローバル学部, 教授 (30459309)
飛内 悠子  盛岡大学, 文学部, 准教授 (40773411)
秋山 肇  筑波大学, 人文社会系, 助教 (40844113)
米川 正子  明治学院大学, 国際平和研究所, 研究員 (80626474)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード難民 / 帰還 / 強制送還 / 終了条項 / ノン・ルフールマン原則 / アフリカ / 庇護国統合 / 循環移動
研究実績の概要

本研究の目的は、アフリカにおいて難民の帰還が行われる際、帰還した難民が出身国またはルーツがある国で定住するために、どのような条件下で帰還政策を実施し、帰還難民に対して、どのような定住政策や支援を実施するべきかを検討することである。個々の事例を検討することで、最終的に帰還のパターンや政策を提示することを目指している。
これまで本研究では、以下の5つの側面から調査・分析をすることを計画している。
①難民の帰還政策に関する分析。②過去に実施された帰還事業の成果に関する評価と問題点の提示。③帰還難民の移動と出身国での再統合。④帰還難民と受入社会のメンバーとの関係、⑤難民出身国近隣における補足調査
2022年度は、研究代表と研究分担者は、①、③、④に関する調査に重点を置き、各自が担当する事例を精査するとともに、必要に応じてフィールド調査を実施した。これらの調査で新たな発見や事実が明らかになったが、特に注目すべき事象は以下の2点である。第1は、紛争が終結し、難民の帰還事業が行われ、終了条項が適用されたケースにおいて、帰還することを選択せず、難民としての地位を失い、非合法的な滞在状態に置かれている元の難民の人々が相当数いることである。第2に、国境周辺地域で住む難民の場合、庇護国と出身国との往来を定期的に繰り返し、庇護国定住と帰還の明確な線引きが難しいケースもみられた。現在の難民保護制度では、難民問題の恒久解決策として3つの方策が提示されているが、現状がこれらの方策と合致していないことが、これまでの調査から明らかになっている。
これまでの研究成果を社会へ還元するため、日本アフリカ学会関東支部会との共催で、「アフリカにおける難民と帰還をめぐる諸課題」という連続セミナーを2回にわたり開催した。これらのセミナーで米川、飛内、網中、村尾、杉木が報告を行い、参加者と活発な意見交換を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2020年から始まった新型コロナ感染症の拡大に伴い、海外渡航が制限され、2020年度、2021年度は当初予定していた海外での調査を実施することができなかった。2022年度は、海外渡航制限が解除され、ようやく現地での調査を再開することができたが、2022年度までに終了することを予定していたインタビューやデータ収集を全て完成することができなかった。

今後の研究の推進方策

2022年度にようやく海外調査を再開することでき、少しづつデータが蓄積されてきた。2023年度は最終年度になるため、2023年度前半に予定していた海外調査を完了できるように努める。また帰還の移動パターンに関するモデル化を考察するため、4月当初から研究会などを開催し、これまでの遅れをフォローできるように研究を進める予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] アフリカにおけるキリスト教信仰覚醒についての研究序説:南スーダンにおけるインタビューから2022

    • 著者名/発表者名
      飛内悠子
    • 雑誌名

      アフリカ研究

      巻: 102 ページ: 13-18

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 第2次スーダン内戦後における南スーダン人のウガンダからの『帰還』について:クク人を事例に2022

    • 著者名/発表者名
      飛内悠子
    • 雑誌名

      アフリカレポート

      巻: 61 ページ: 5-17

    • DOI

      10.24765/africareport.61.0_5

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 特集にあたって――「帰還」をめぐる神話と実態を再考する――2022

    • 著者名/発表者名
      杉木明子
    • 雑誌名

      アフリカレポート

      巻: 61 ページ: 1-4

    • DOI

      10.24765/africareport.61.0_1

  • [学会発表] 移動と難民キャンプ:ルワンダにおけるツチ系コンゴ「難民」の政治的利用2022

    • 著者名/発表者名
      米川正子
    • 学会等名
      日本アフリカ学会
  • [学会発表] La Tragedie Congolaise et la Responsibilite des Operations de Maintien de la Paix2022

    • 著者名/発表者名
      Yonekawa Masako
    • 学会等名
      Conference Internationale pour La Pais en RD Congo
    • 国際学会
  • [学会発表] 家の人と客人の間:南スーダンにおけるクク人の「住む」という行為を巡って2022

    • 著者名/発表者名
      飛内悠子
    • 学会等名
      日本文化人類学会
  • [学会発表] 国際難民保護レジームの変容とレジリエンス――ノン・ルフールマン原則と難民の非 自発的帰還2022

    • 著者名/発表者名
      杉木明子
    • 学会等名
      日本国際政治学会

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公開日: 2023-12-25  

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