研究課題/領域番号 |
19H04372
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研究機関 | 京都看護大学 |
研究代表者 |
磯邉 厚子 京都看護大学, 看護学部, 教授 (40442256)
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研究分担者 |
植村 小夜子 佛教大学, 保健医療技術学部, 教授 (10342148)
松永 早苗 神奈川県立保健福祉大学, 実践教育センター, 准教授 (30614581)
岩佐 美幸 聖泉大学, 看護学部, 助教 (30782651) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ケイパビリティ・アプローチ / 開発アプローチ / well-being / 福祉的自由 / 健康格差 / スリランカ / 農園地域 / 母子保健 |
研究実績の概要 |
本研究はAmartya Senの潜在能力概念(capabilities)の開発アプローチへの応用、実践である。スリランカ農園地域の母と子が健康を取り戻すために2019~2022年度の調査を基に福祉的自由(人がよく生きる(well-beings)ための人の機能の集合:潜在能力)を分析し母と子どもに必要な機能を表した。 ①子どもの生命の保護と発達に不可欠な基本的な機能:保育所で子の人数、月齢に応じた保育がされる。適切な衛生設備があり予防可能な疾病を回避できる。②国家・社会の中での資源分配の仕組みにおいて承認されるべき機能:母は全ての出産に84日間の有給制度を享受でき一定の育児時間が保障される。完全母乳が最低6ヵ月間保障される。保健人材は地域に偏らず母子の低体重や貧血予防を啓発する。③子どもを囲む人的環境や社会的機会に関する機能:母の健康への動機付け(内的・外的)がある。政治的、経済的、社会的アクセスの機会がある。職場や住民活動を通じ他者との社会的対話や公共的行為を与える機会があり仕事の意義をもつことができる。④子どもの成長過程に影響する地域の特性に関する機能:母の労働評価が適切に行われる。家族・社会で好ましくない慣習や民族的職業的差別が撤廃され自己実現を可能にするアイデンティティを得られる。 本アプローチの実践の根拠に民主主義的優先性、基本的権利の保障がある。①~②は公共的に認知、保証、制度化されるべき母子の諸機能で自律的な個人の行為を伴いながらも必要な諸条件を整える。③~④は制度化されずとも権利として公共的に認知されるべき機能で、生存の危機への耐性を高め、女性と子どものライフサイクルの発達を促す不可欠な能力である。これらは国家の政策と地域コミュニティの人々の認識に基づくものであり、子どもの権利として保障され、国や社会、コミュニティが関わりながら母子の豊かな生き方を保障、促進する。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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