研究課題/領域番号 |
19H04379
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
松井 圭介 筑波大学, 生命環境系, 教授 (60302353)
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研究分担者 |
須山 聡 駒澤大学, 文学部, 教授 (10282302)
佐藤 大祐 立教大学, 観光学部, 教授 (20405616)
卯田 卓矢 (ウダタクヤ) 名桜大学, 国際学部, 准教授 (20780159)
呉羽 正昭 筑波大学, 生命環境系, 教授 (50263918)
堤 純 筑波大学, 生命環境系, 教授 (90281766)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 離島地域 / 住民の資源化 / 観光地域社会 / 次世代観光資源 / 人口高齢化 |
研究実績の概要 |
本研究の課題に関する内外の先行研究を参照しながら,研究視点の理論的洗練に努めた。研究メンバーが各自の専門分野にかかわる文献サーベイ・資料収集を実施した。松井は五島列島・長崎地域,須山と佐藤は奄美諸島・屋久島・鹿児島地域,呉羽は瀬戸内地域,堤は海外の離島地域をそれぞれ対象とした。 あわせて研究対象地域において概括的調査を実施し,研究資料の収集を実施した。研究成果としては,本研究のパイロットスタディとして茨城県鹿行地域で実施した3報が得られた。そこでは農村集落および小規模都市中心地区における高齢者の生活行動や生業,鹿行地域の基幹産業にかかわる地域生態的なサーベイを実施し,まとめたものである。首都圏外縁地域で得られた知見を国土外縁部地域に適応する予定である。 研究成果の概要は以下の通りである。岩井ほか(2020)では,地方都市の中心商業地区を対象に,立地環境と商業経営,住民の生活行動の特性について検討した。鹿嶋市は周囲を水域に囲まれており,中心商業地である宮中地区は台地上に位置している。こうした地形分布に着目しながら,鹿嶋市における商業地域構造の変容について検討した。その結果、鹿嶋市における商業の中心性は,台地上から段階的に台地下へシフトしていったことが明らかになった。なお、地形条件は買い物時の移動手段にも影響を与えており、経営者の高齢化とならんで中心商業地域の空洞化を強く規定していたことが判明した。芳賀ほか論文(2020)では,鹿島神宮祭頭祭を事例に,社会情勢の変化における氏子集落の対応を明らかにした。鹿島神宮は初代神武天皇の時代に創建した神社であり,その由緒から武神として崇敬を集めた。神宮の祭礼の一つである祭頭祭においても,徴兵される男子の出立を祝うための「鹿島立ち」として,氏子集落によって存続されてきた。以上,地方都市のコミュニティと生業に関わる研究成果を挙げた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本来,フィールドワークを実施する予定であった2月・3月期において,Covid19による出張取り止めが生じ,研究資料の収集に遅延が生じたため。
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今後の研究の推進方策 |
当初予定していた研究合宿はオンラインで実施する等,対策を講じている。Covid19による移動制限が解除された暁には,各地域において実地調査を実施し,研究を推進する予定である。並行してオンライン調査の実施も検討し,研究の遅滞が生じないように留意する。
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