研究課題/領域番号 |
19H04386
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
青山 薫 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (70536581)
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研究分担者 |
菊地 夏野 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 准教授 (00381898)
LEBAIL Helene 明治学院大学, 国際平和研究所, 研究員 (30817622)
村尾 元 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (70273761)
原 めぐみ 和歌山工業高等専門学校, 総合教育科, 准教授 (90782574)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 国境を越える人の移動 / 性風俗産業 / セックスワーク / 人身取引 / 聞き取り調査 / ネットワーク分析 / 移民支援 |
研究実績の概要 |
コロナウィルス感染防止のため、海外渡航・国内出張とも制限が続き、日本調査および予定のフランスワークショップが実施ができなかった。 他方で、タイ(バンコック近郊)およびフランス(パリ近郊)に加えてスペイン(計画に追加)において、それぞれ調査協力者(現地共同研究者)と分担研究者が、聞き取り調査およびネットワークデータ収集を行った。タイでは、性風俗事業者への聞き取りにも成功した。聞き取りの文字起こしについては、英語に翻訳したうえで全体で共有した。これらから現時点までに明らかになったことの概要は、次のとおりである。 1)タイおよびフランスにおいては当事者が多少なりとも労働者意識を持っている。2)1の一つの理由として、両国調査地域においてNGOなどの支援を受けながら当事者集団が形成されていることがあげられるだろう。3)当事者の組織化がほぼ皆無である日本と比較して、要因を追究する必要がある。4)(おもに中国出身者の)同郷人ネットワークが、個々の当事者がホスト国・社会が提供し得る支援を得るためにプラス要因になるか否かも、労働者としての組織化が成立しているか否かで違っているようである。 以上は、代表研究者が本研究と並行し、国際共同研究加速基金Bを得て行っている課題、および、厚生労働省エイズ対策研究事業科研費の分担研究者として行っている課題と共有した。国境を越える性取引を行う人びとの聞き取り調査とネットワークデータ収集・分析をする点で本研究と共通し、相互に参考になるためである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
上述のとおり、コロナウィルス感染防止のため、海外渡航・国内出張とも制限が続き、日本調査および予定のフランスワークショップが実施ができなかった。コロナ以降、当事者の行動様式等が変化しフィールドの様相が変わったため、調査がいわゆる振出しに戻ってしまったことも要因である。
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今後の研究の推進方策 |
日本について、代表研究者が他で分担している厚生労働省エイズ対策研究事業科研費による調査研究を参考に、アウトリーチをやり直し、聞き取りとネットワークデータ収集の対象者を確定し直す。順次調査を行い、20人への聞き取りをめざす。 フランスおよび新たに加わったスペインについて調査を完了する。順次データを翻訳・共有し、分析を行う。フランスを中心に成果発表および議論のワークショップを行う。 タイについては、ネットワークデータについて聞き取りデータから抽出した後、両データとも分析を進める。翻訳のうえ全体で共有し、他の調査地の調査・データ分析の参考とする。 なお、代表研究者が、2022年9月から23年9月までケンブリッジ大学犯罪学研究所に所属して在外研究を行うため、この間に、上記国際共同研究加速基金Bを得て行っている課題とも協働して、ヨーロッパにおける共同調査・情報交換等を行う。
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