研究課題/領域番号 |
19H04386
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80030:ジェンダー関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
青山 薫 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (70536581)
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研究分担者 |
菊地 夏野 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 准教授 (00381898)
LEBAIL Helene 明治学院大学, 国際平和研究所, 研究員 (30817622)
村尾 元 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (70273761)
原 めぐみ 和歌山工業高等専門学校, 総合教育科, 准教授 (90782574)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 国境を越える人の移動 / 性風俗産業 / セックスワーク / 人身取引 / 聞き取り / ネットワーク / 国際共同研究 |
研究成果の概要 |
国境を越える性取引の当時者に対する聞き取りとネットワーク分析から、次のことが明らかになった。①当事者の経験は多様であり受け入れ国によって著しく異なる。②受入国内でも、とくに出身国とエスニシティ、滞在資格によって著しく異なる。③ネットワークの質が移民の脆弱性に影響する。④1990年代に比べ、パレルモ議定書における人身取引の手段と目的を明確に示す例は少数であった。⑤トランスジェンダーの当事者は、シスジェンダー当事者より不利な立場にある。⑥国境を越える性取引をより安全にするには、警察・入管をふくむ部外者が、危害軽減とコミュニティアプローチからなる倫理的アプローチを採用することが必要である。
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自由記述の分野 |
社会学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、国境を越える人の移動の中でもとりわけ政治的規範的な議論が後を絶たない 性取引を伴う移動について、グローバル化が促進した中心的な課題として再考した。こ の現象に対して現在まで禁止・加害者処罰・被害者救済に偏る調査研究と法・政策を問い直し、「犯罪」にも「被害」にも終始はしない当事者の経験をあらためて明らかにした。そして、現象の解明にとどまらず、現在の国家法・政策が取りこぼしてきた、実際的かつ人道的な対策を探求し、当事者の不利益・苦痛・スティグマを軽減する手立てを提案するに至った。また、聞き取り記録とネットワーク分析を組み合わせた研究方法にも独特の学術的意義がある。
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