本研究の目的は、最先端のがん治療薬として注目を集めているアスタチン211の生成収量を、非破壊・高精度で測定するため、高温超伝導SQUIDビーム電流計を開発することである。SQUIDとは、脳磁や心磁の測定に利用されている超高感度磁気センサーである。本研究では、(1)ビームが通過する際、マイスナー効果によって誘起される遮蔽電流を効率よくSQUIDに伝達する高温超伝導ピックアップループと、(2)超伝導体の完全反磁性を利用した超伝導磁気シールドの開発を行い、製作の実現に成功した。これらの製作は、高温超伝導体としてBi2212相とBi2223相の二通りの手法で研究を続けてきた成果による。
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