研究課題/領域番号 |
19H04413
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
尾方 義人 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (20326416)
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研究分担者 |
綿貫 茂喜 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (00158677)
藤 智亮 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (60274544)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | レジリエンスデザイン / 地区防災計画 |
研究実績の概要 |
デザインにおけるThoughtless Actsという概念の登場とアフォーダンス理論の導入によるデザイン方法論の進展について述べた後、心拍の測定と分析、性格特性、動画解析技術の既往研究事例と各領域の課題に対し、本研究では天井に設置した俯瞰カメラを想定し、空間確保行動に着目したが、センシングデバイスの進歩によって、人々のより細かい仕草や視線を測定できるようになる可能性がある。コミュニケーション行動は人対人の位置距離関係だけでなく、肘をつく、足を組むと言った個人の仕草をも含んだ概念であるため、このような測定手段の充実によって今後研究領域が拡大すると考える。 動画から物体を自動で追跡するためのアプリケーション開発とその評価を、眼瞼運動の動画を使用して行い、行動の量化にも応用した。行動の量化にあたっては動画解析によって得た人の座標データに対し、距離や位置関係を表現する数値に変換する計算式を用いて時系列データ等によって視覚的に比較するプロセスを検討し、さらに、生理指標の計測を取り入れた実験を計画実施し、デザイン方法としての実験プロセスを検討した。 さらに実験におけるリミテーションを中心に今後の課題について整理を行ったうえで、一連の調査検討や実験によって得られた知見に基づき、平時からの防災教育活動やその中での実験、発災後のレジリエンスアシストサービスの運用について検討する。 なお対象は災害避難所を想定しているが、今後研究がさらに進むことで得られる成果は、避難所に留まらず平時の生活にも転用が可能であると考える。たとえば災害避難所は、平時には公民館や学校である場合が多い。学校での学童や生徒、学生のコミュニケーション行動は、災害避難所におけるそれと慎重に比較する必要はあるが、本質的には空間確保行動やf-Formationのような概念で説明が可能なものにできるとかんがえられる
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ここまでの検討により、災害避難所でのコミュニケーションを支援するための基礎データ収集が実現したと仮定して、発災時における災害避難所でのレジリエンスアシストサービスの設計について検討できる段階となった今後は 警固断層帯南東部を震源とする地震が発生した場合、仮設定した塩原公民館では、平時からの防災教育活動によりなりたつことから、避難所利用者の受付、コミュニケーションモニタリング、行動のリアルタイム分析、支援通知の実装設計をめざす。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに実施した調査や検討の結果をもとに、レジリエンスデザイン方法における実装の検討を行う。実装の対象として、はじめに地域コミュニティの交流の場であり、基礎データを収集する機会でもある防災教育活動に着目する。 防災教育活動と実験や分析による基礎データ収集、地域住民との関係を構築する。防災教育活動を活用して実験や分析を行い、データを蓄積することで、地域住民はレジリエンスアシストサービスを受けることができるようになる。また、参加者は防災教育活動に参加することで知識や情報、交流の他にも、基礎データ収集へ協力することによる地域貢献も可能となるようにシステム設計していく。
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