研究課題/領域番号 |
19H04424
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
海野 敏 東洋大学, 社会学部, 教授 (80232891)
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研究分担者 |
曽我 麻佐子 龍谷大学, 理工学部, 准教授 (40388161)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 芸術諸学 / 舞踊学 / 自動振付 / モーションキャプチャ / データベースデータ |
研究実績の概要 |
初年度は、次年度以降の研究の展開を念頭におきつつ、コンテンポラリーダンスの創作を対象として以下の作業を行った。 (1)モーションデータの加工・編集およびモーションデータベースの構築に関しては、コンテンポラリーダンスの要素動作として有用性のある「ノンダンス」の動きを整理し、龍谷大学において、プロダンサーの実演動作約900種類をモーションキャプチャシステムによって収録した。収録は研究分担者の指導のもと、学部生・大学院生の協力で行った。 (2)振付創出アルゴリズムの考案に関しては、連携研究者を含めたプロフェッショナルなコンテンポラリーダンス振付家の協力により、振付シミュレーションシステム“Body-part Motion Synthesis System”(以下BMSS)を用いて創作し、小劇場において上演済みの作品について分析を行った。具体的には、BMSSで創作したCGシークエンスと実際の演技との対応関係を、実写映像を見て詳細に確認することで、プロ振付家における振付語彙と振付文法の分析を進めた。 (3)システムの評価実験に関しては、BMSSをインストールしたタブレットを10台用意して、これらを筑波大学ダンス部に2箇月間貸し出して、コンテンポラリーダンスの作品創作のためのシステムとしての実用性の評価を行った。また、第2次年度に都内の劇場を使用してシステムの評価を兼ねた公演を実施する予定なので、その準備として、劇場との交渉や専門スタッフの手配を開始した。 (4)研究成果の発表に関しては、国内外の学会において研究成果の口頭発表と論文誌へ投稿を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
モーションデータの収録と加工、振付創出アルゴリズムの分析・考案、システム評価実験の実施と準備、および研究成果の発表を予定通り行ったから。
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今後の研究の推進方策 |
研究の推進方策としては、次年度に都内の劇場を使用し、振付シミュレーションシステムBMSSの評価と研究成果の発表を兼ねた公演を実施する計画なので、この公演を成功させるために研究の時間と人的資源を集中的に配分する。本格的な劇場使用となるので、劇場との交渉、専門スタッフの手配、リハーサルから本番、本番後の処理までの運営において、アートマネジメントの専門家と密接な協力を行う。
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