研究課題/領域番号 |
19H04427
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研究機関 | 新潟工科大学 |
研究代表者 |
中村 誠 新潟工科大学, 工学部, 准教授 (50377438)
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研究分担者 |
松浦 好治 名古屋大学, 博士課程教育推進機構, 特任教授 (40104830)
外山 勝彦 名古屋大学, 情報基盤センター, 教授 (70217561)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 法令標準XMLスキーマ / e-LAWS / 法情報処理 |
研究実績の概要 |
2016年10月,総務省が主体となり「法制執務業務支援システム(e-LAWS)」の運用を開始した.これにより,それまで紙ベースで行われていた法令案の作成から公表までの処理が電子的にできるようになった.e-LAWS を支える最も重要な技術の一つが日本法令に合わせた法令標準 XML スキーマ(日本法令スキーマ)である.これにより,現行法令のオープンデータ化が達成された.しかしながら,それを扱うアプリケーションの多くは未だ開発段階にある.これに対し,世界では多くの法令標準スキーマが存在し,すでにさまざまなサービスが展開されている. 本研究の目的は,世界のソフトウェアリソースを共有し,日本法令データ用に主要なアプリケーションを提供することである.これを達成するため,日本と世界の法令標準スキーマの変換器や管理データベースを開発し,既存アプリケーションを日本法令データに利用できるよう提供する. 本研究では,法令標準XMLスキーマのOASIS国際標準規格である Akoma Ntoso (以降AKN)に着目する.AKN は,アフリカ諸国向けに開発され,現在では世界中の国や機関において広く採用されている.しかし,現状では日本法令スキーマとAKNに互換性がないため,日本法令に対してアプリケーションを利用することができない.本研究では,日本法令スキーマを AKN 形式に変換する方法を提案する.日本法令データを AKN 形式に変換すれば,既存のアプリケーションは動作すると期待できる.あとは,日本語や日本法令に対応するような修正を施すだけで済む. 本年度の実施計画は,変換器の作成,データベースの構築,および AKN および世界の e-legislation の調査であった.研究協力者であるイタリア IGSG-CNR の Peruginelli 研究員およびボローニャ大学の Palmirani 教授に訪問し,セミナーの開催および研究打ち合わせを行った.また,変換器の開発を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画のうち最も重要な変換器の作成がおおむねできたことで今後のアプリケーション開発がスムーズにいくものと予想される.ただし,不具合も確認されており,そのデバッグ及び結果の検証が出来ていないことが問題としてあげられる. イタリア訪問は滞りなく行われ,次回セミナーの開催やXMLのサマースクールへの参加などが議題に上がった.これによりAKNのアプリケーションの共同開発などの見通しが立った. しかしながら,新型コロナウイルスの理由により国内出張がキャンセルされたため,予算の繰り越し申請をした.
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今後の研究の推進方策 |
変換器の不具合解消および検証を行い,AKN版日本法令の公開を行う.また,AKNアプリケーションの動作確認を行う.
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