研究課題
本研究は、日常的に観察される「情報の心理化傾向」がヒト固有の情報処理特性を反映している可能性をあらたに提起し、その進化・発達基盤を行動実験・数理モデルの2側面から検証するものである。本年度の研究実績は以下にまとめた通りである。■互恵的なエージェントに対する社会的選好の初期発達に関するデータを取得した。(橋彌・小林)■技能や利他性の観察にもとづく協働パートナー選択の発達に関する研究データを取得分析した。(橋彌・小林)■消費履歴を考慮した分配行動の発達についての研究発表を人間行動進化学会(大阪教育大学)およびBCCCD2024(CEU、ハンガリー)において発表した。(橋彌・小林)■教育とその基盤となる「こころ」の想定傾向の発達的・進化的起源に関する研究成果とその理論的背景について教育哲学会(九州大学)で招待講演をおこなった。(橋彌)■間接互恵性の成立要件に関する理論的分析をおこない、従来考えられたように、密なコミュニケーションを基盤に特定の人物関する評判を共有できるような条件でしか間接互恵性はうまく行かないわけではなく、コミュニケーションがもっと疎であっても成立可能である可能性が示された。内面化された規範は必要であっても、それらを個体間で同期させる必要は必ずしもないという予想外の結果が得られ、研究成果をProceedings of the National Academy of Sciences誌に発表した。(大槻)
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Proceedings of the National Academy of Sciences
巻: 120(20),e2300544120 ページ: 1-8
10.1073/pnas.2300544120