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2019 年度 実績報告書

生体光センシング技術への応用を目指した磁気共鳴ラマン分光法の新規研究開発

研究課題

研究課題/領域番号 19H04443
研究機関徳島大学

研究代表者

高成 広起  徳島大学, ポストLEDフォトニクス研究所, 特任講師 (70723253)

研究分担者 井上 高教  大分大学, 理工学部, 准教授 (40243969)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードラマン分光分析 / 磁気共鳴 / 生体計測
研究実績の概要

本研究では最終的に磁場存在下にサンプルのラマン分光分析を行うことを予定しているが、顕微鏡型ラマン装置は磁場の影響を強く受けるために実験に不適切と考えられた。そこで初年度はまず785 nmレーザーと分光分析器を備えたファイバ型ラマン装置を作製した。当該装置によって脂肪酸やアルコールなどの標準物質に関しては、純物質に限ってファイバを介してラマンスペクトルの検出が可能であったが、数種類のサンプルを混合した場合には検出感度が著しく低下した。これは照射光と検出光が同一ファイバを経由する構成としたために、ファイバの石英ガラスに由来する散乱光が検出光に干渉したことによると考えられた。またファイバ端面から光が拡散するために単位面積あたりのレーザー照射の強度が充分に得られず、サンプルから発生する散乱光が微弱になったことも感度低下の要因と考えられた。
一方、磁気共鳴に関しては、ネオジム磁石を対面に配置して創出した静磁場に関しては400 mTから450 mTの安定した磁場を確認できた。しかし電磁コイルに交流電流を通電して創出した交流磁場に関しては安定した磁場を得ることができなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

これまで顕微鏡型ラマン装置の対物レンズにファイバーを接続する手法で仮のファイバ型装置を構築して実験を行っていたが、レーザー照射や検出が極めて不安定であった。2019年度の成果として、ファイバ型ラマン装置を構築する事ができた。ただし、標準サンプルの検出は可能ながらも感度が顕微鏡装置に比べると低く、またガラス由来散乱光の干渉などが計測に大きな支障をきたしており、装置を改良して感度を高める必要があると考えられた。また磁気共鳴の部分に関しても、安定した交流磁場の創出には至っておらず、次年度以降にこれらの装置を完成させる必要がある。

今後の研究の推進方策

ファイバ型ラマン装置に関しては、ガラス由来散乱光の干渉を除去するために、照射用ファイバと検出用ファイバを分離する構成に改良を行い、さらにファイバ先端に対物レンズを含めたプローブを作製することで、最低でもmM単位まで検出感度の向上を目指す。また磁気共鳴装置に関しては、安定した交流磁場の創出を目標に、磁気共鳴装置の構築を進める。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Fluorescent Imidazo[1,5-a]pyridinium Salt for a Potential Cancer Therapy Agent.2019

    • 著者名/発表者名
      Yagishita F, Tanigawa J, Nii C, Tabata A, Nagamune H, Takanari H, Imda Y, Kawamura Y.
    • 雑誌名

      ACS Medicinal Chemistry Letters

      巻: 10 ページ: 1110-1114

    • DOI

      10.1021/acsmedchemlett.9b00034.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Direct free radical scavenging effects of water-soluble HMG-CoA reductase inhibitors.2019

    • 著者名/発表者名
      Umeda R, Takanari H, Ogata K, Matsumoto S, Kitano T, Ono K, Tokumaru O.
    • 雑誌名

      Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition

      巻: 64 ページ: 20-26

    • DOI

      10.3164/jcbn.18-48.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 細胞や組織のラベルフリー・イメージング:臨床応用を目指した研究2019

    • 著者名/発表者名
      髙成広起
    • 学会等名
      徳島大学医歯薬学研究部公開シンポジウム2019
    • 招待講演
  • [学会発表] 光で生体を見る:生理現象や病態の可視化を目指した研究2019

    • 著者名/発表者名
      髙成広起
    • 学会等名
      日本医科大学研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] The influence of KATP channel abnormality on calcium handling of endoplasmic reticulum.2019

    • 著者名/発表者名
      Takanari H
    • 学会等名
      The 9th. Federation of the Asian and Oceanian Physiological Societies/第96回日本生理学会大会 合同大会
    • 国際学会

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公開日: 2021-12-27  

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