近赤外蛍光色素の一種インドシアニングリーン(以下,ICG)を用いた蛍光ナビゲーションは,癌治療や冠動脈バイパス手術などでその有用性が確認されているが,ICGは至適濃度範囲が狭く,蛍光強度が低い,また,水溶性であるICGの易拡散性は,患部の正確な位置の特定を困難にしている。このような技術課題を解決する画期的な近赤外蛍光樹脂材料の開発に成功した。 この材料を用いてナビゲーション用標識具の開発を図り、消化管患部を漿膜面から鏡視下で位置特定するための標識技術,肺癌の鏡視下区域切除のための患部標識技術,鏡視下手術において損傷リスクを回避するための臓器標識技術が実現し,安全な術中ナビゲーションが可能になる。
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