研究課題
尿路上皮がんは我が国において毎年21,000人が新たに発症し、年間の死亡者数は8,000人を数えている。患者数も増加傾向にあり、2020年には年間7万人に達している。一方で、血尿などの症状がない場合は見逃されやすく、また治療後の再発率も高い(60-85%)ことが特徴である。その診断には肉体的・精神的な苦痛を伴う膀胱鏡検査が必須となっており、より簡便で精度の高い診断法の開発が待ち望まれている。本研究では尿中に含まれるリン酸化酵素PKCαに着目し、そのバイオマーカーとしての機能評価とセンサデバイス技術によるリキッドバイオプシー診断システムの開発を進めてきた。過去2年の臨床データの解析で尿路上皮がん患者の尿中にも活性型PKCαが存在することを確認しており、他の診断法では検知できないLow-gradeがんにおいても検出できることを示したが、これらの成果はすでに特許申請も完了し(特願2019-220139)、尿路上皮がんの新しい高感度バイオマーカーとしての活用が期待される。当該年度では昨年より行っている活性型PKCαに対するモノクローナル抗体の作製を継続し、精度の高い候補モノクローナル抗体を同定することに成功した。これは次のステップであるバイオセンサーの開発への大きな前進と思われた。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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