研究分担者 |
竹田 成宏 東京大学, 宇宙線研究所, 助教 (40360581)
常定 芳基 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 教授 (50401526)
有働 慈治 神奈川大学, 工学部, 准教授 (50506714)
冨田 孝幸 信州大学, 学術研究院工学系, 助教 (70632975)
多米田 裕一郎 大阪電気通信大学, 工学部, 准教授 (90467019)
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研究実績の概要 |
2018年11月から2020年2月(この後COVID-19の影響で装置運用を長期停止)までの429時間のTALE実験ハイブリッド観測データに基づき、10の16.5乗電子ボルトから10の18.0乗電子ボルトまでの宇宙線エネルギースペクトルを求めた(H. Oshima, et al., PoS(ICRR)271)。結果は、過去のTA実験の結果とよく一致している。 2018年11月から2023年3月までのTALE実験ハイブリッド観測データに基づき、10の16.5乗電子ボルトから10の18.5乗電子ボルトまでの平均空気シャワー最大発達深さ(Xmax)を求めた(K. Fujita, et al., PoS(ICRR)401)。結果は、エネルギー増加とともに、平均的な組成は10の17乗電子ボルト付近までは上昇し(重くなり)、その後軽くなり、10の18.5乗電子ボルトでは純粋陽子となることを示している。最も重くなるエネルギー10の17乗電子ボルトがエネルギースペクトルに見られる「2nd knee」という構造(折れ曲がり)に一致していることも興味深い。 2019年10月から2022年9月までの1093日間のTALE実験SDアレイによる観測データに基づき、10の17.0乗電子ボルトから10の18.8乗電子ボルトまでの宇宙線エネルギースペクトルを求めた(I. Komae, et al., PoS(ICRR)405)。 TALEハイブリッドのエネルギーしきい値をさらに下げるため2022年10月に50台の地表粒子検出器を追加設置し、2023年10月からハイブリッド観測を順調に継続している。10の15.5乗電子ボルトの宇宙線に対して、Xmaxの決定精度は29 g/cm^2、エネルギーEの決定精度は12.5 %であり、TALEに比べてエネルギーがひと桁低いにもかかわらず、ほぼ同じ精度が達成できている。
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