研究課題
本研究は、今後医薬学や医療分野において重要性が増加する薬用資源植物の統合ゲノム科学を推進することを目的とする。特に、重要薬用植物を中心に活性成分の生産に関する統合ゲノム科学を推進し、薬用資源植物の化学的多様性のゲノム起源解明に資する。昨年度に引き続き、グリチルリチンなどの成分蓄積量が異なる7品種のウラル甘草(Glycyrrhiza uralensis)の汎ゲノム解析を進めた。この汎ゲノム解析はグリチルリチンを含むスペイン甘草(G. glabra)およびグリチルリチンを含まないイヌ甘草(G. pallidiflora)についても同時に進め、メタボロームデータと統合して公表の準備を進めた。また、ウラル甘草、スペイン甘草については複数組織における全ゲノムバイサルファイトシーケンスも行って、エピゲノム解析も進めた。生薬「苦参(クジン)」の基原植物クララの全ゲノム解析とメタボローム解析を完了し、ゲノム解析については論文発表の準備を進めた。その他の薬用植物についてもゲノム解析を遂行した。前年度に解明したタバコの活性アルカロイドであるニコチン生合成など植物二次代謝の制御において中心的な役割を果たしているERF/AP2転写因子を、同じくナス科のペチュニアからも同定した。この転写因子をペチュニアで一過的に過剰発現させることにより、ペチュニア属植物特有のステロイド化合物の蓄積を飛躍的に増大させることに成功した(PNAS Nexus誌に発表、同時にプレスリリースした)。また、薬用植物等から広範なメタボローム情報を収集すると共に、それらを搭載したメタボロミクスのピークアノテーションに向けたデータベースを高度化した。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2023 その他
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
PNAS Nexus
巻: 2 ページ: -
10.1093/pnasnexus/pgad326
Plant Biotechnology
巻: 40 ページ: 71~76
10.5511/plantbiotechnology.22.1113a
Journal of Experimental Botany
巻: 75 ページ: 1741~1753
10.1093/jxb/erad341
Acta Horticulturae
巻: 1361 ページ: 13~20
10.17660/ActaHortic.2023.1361.2
Plant And Cell Physiology
巻: 65 ページ: 185~198
10.1093/pcp/pcad161
Plant Cell Reports
巻: 43 ページ: -
10.1007/s00299-023-03095-6
バイオサイエンスとインダストリー
巻: 81 ページ: 310-311
http://metabolomics.riken.jp/