昨年度に引き続いて、多波長光源を用いた紫外線投影 / 熱投影が可能なプロジェクタの開発と、熱投影による液相-気相転移アクチュエータの駆動制御に取り組むと共に、研究計画に沿う形で3Dプリンタを用いた物体とインクの同時出力によるクロミックインク塗布手法の構築と、新規な液相-気相転移アクチュエータを用いたソフトロボットの設計、作製手法について研究に取り組んだ。 紫外線投影が可能なプロジェクタの開発については、DLPプロジェクタに紫外光源を追加して実現するべく開発を進めているが、昨年度に投影光の強度不足が明らかとなった。そこで、高出力光源を用いたプロジェクタシステムについて新規に設計、開発を継続している状況である。また、赤外光源の追加による熱投影については、これを用いた液相-気相転移アクチュエータの選択的な加熱によるソフトロボット制御手法について、トップ国際論文誌で発表を行った。 3Dプリンタを用いた物体とインクの同時出力によるクロミックインク塗布手法の構築については、光造形式の3Dプリンタで使用される紫外線硬化型樹脂に双安定性のサーモクロミックインクであるパイロット社のフリクションインクを混合、硬化させる形での手法を検討した。3Dプリンタで作製した升目構造に樹脂を注入、硬化させることで、フルカラーのボクセル構造を有する立体構造の造形を実現し、また熱投影システムを用いた消色制御と冷却による再発色が可能であることを確認した。 新規な液相-気相転移アクチュエータを用いたソフトロボットの設計、作製手法については、弾性変形が可能、かつ小型の構造で液相-気相転移アクチュエータを製造する手法について新たに構築した。これにより、直径が5mm程度と小型であるにも関わらず、弾性変形により初期の大きさの860%まで膨張、変形することが可能な液相-気相転移アクチュエータを実現した。
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