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2020 年度 実績報告書

職業経歴からみる階層構造と階層生成メカニズムの再検討

研究課題

研究課題/領域番号 19J00197
研究機関一橋大学

研究代表者

麦山 亮太  一橋大学, 経済研究所, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2019-04-25 – 2022-03-31
キーワード社会階層 / 社会移動 / 職業経歴 / 学歴間格差 / 労働市場 / 女性就業
研究実績の概要

本年度は2件の国内学会での報告を行い、2件の論文を発表した。そのほか2件国際学会に採択されていたものの、新型コロナウイルス感染症の影響で報告はキャンセルとなった。また在外研究を予定していたが、こちらも感染症流行の影響でキャンセルとなり、所属機関での研究に専念した。
具体的な成果は以下のとおりである。第1に、出産・育児期における女性の就業経歴が長期的にみていかに変化したのかを検討した。分析の結果、伝統的に女性就業率が高く、低学歴層の就業の受け皿となってきた自営業・家族従業が縮小し、雇用労働市場が拡大したことで、低学歴の女性ほど就業しやすいという日本の女性就業の特徴が弱まりつつある。さらに2000年代後半以降この傾向はさらに加速したことが確認された。以上の結果に関する論文の一本は投稿中、もう一本は間もなく投稿の予定である。
第2に、初職における職業的地位達成の学歴差のトレンドに対して、コーホート人口の変化と高学歴化がそれぞれいかなる影響を及ぼしているのかを分析した。コーホート人口の減少は高学歴化によってもたらされる大卒者数の増加のペースを緩やかなものに抑えたために、学歴間格差は安定的に推移したという仮説を諸調査データの分析から検証することに成功した。現在論文投稿、査読を経て修正原稿を提出したところである。
第3に、労働力調査データを使用し職業移動のトレンドを分析した。2000年代以降、1年ごとにみた職業移動率は非常に安定的に推移したことが確認された。この安定傾向は、職業分布の変化や労働人口の構成(年齢、性別、学歴)変化によってはほとんど説明されなかった。くわえて、職業大分類でなく職業中分類を使用しても、安定化傾向はなおも確認された。この結果は、職業にもとづく階層構造の把握の重要性は減じていないことを意味している。本分析の結果はすでに学会にて報告した。現在、論文を執筆中である。

現在までの達成度 (段落)

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

今後の研究の推進方策

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 日本版O-NETの数値情報を使用した応用研究の可能性:タスクのトレンド分析を一例として2021

    • 著者名/発表者名
      小松恭子、麦山亮太
    • 雑誌名

      JILPT Discussion Paper

      巻: 21 ページ: 1-58

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 日本における性別職域分離の趨勢:1980-2005 年国勢調査集計データを用いた要因分解――2020

    • 著者名/発表者名
      打越文弥、麦山亮太
    • 雑誌名

      人口学研究

      巻: 56 ページ: 9~23

    • DOI

      10.24454/jps.2001001

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 現代日本における世代内職業移動の趨勢:労働力調査データの分析から2021

    • 著者名/発表者名
      麦山亮太
    • 学会等名
      第70回数理社会学会大会
  • [学会発表] 職域分離とスキルからみる労働市場のジェンダー格差:日本版O-NET・国勢調査マッチングデータから得られる示唆2020

    • 著者名/発表者名
      打越文弥、麦山亮太、小松恭子
    • 学会等名
      第69回数理社会学会大会

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公開日: 2021-12-27  

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