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2020 年度 実績報告書

Fc 受容体への親和性改変を指向した生体内抗体修飾反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19J00396
研究機関東京工業大学

研究代表者

六車 共平  東京工業大学, 物質理工学院, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2019-04-25 – 2022-03-31
キーワードルテニウム / 触媒反応 / タンパク修飾
研究実績の概要

生体内での抗体Fc部位の化学修飾による抗体機能制御を目的とし、2019年度において生体適合性の高い金触媒とプロパルギルエステルによる抗体修飾反応を実施した。しかし、この反応系は抗体に対する反応性が低いことが明らかとなった。この問題点に対し、2019年度では、ルテニウム触媒反応をトリガーとして反応性の高い中間体を生成する反応基質を利用した新規反応を発案し、in vitroでの抗体修飾反応に成功した。本反応に適用できるルテニウム触媒は、細胞系での利用例は報告されているものの、in vivo系で利用されたことの無い触媒であった。そこで2020年度では、生体内でも利用可能な抗体修飾反応として発展できるかを評価すべく、所属研究室の既存技術である遷移金属触媒のin vivo送達法を利用し、担がんマウス体内での触媒反応によるがん治療を行った。結果として、ルテニウム触媒ーキャリア複合体とアポトーシスを誘導する反応基質を静脈内投与することで、良好ながん治療効果が示されたため、生体内においてルテニウム触媒反応により細胞表面(タンパク質)を修飾できていることが示唆された。すなわち、本研究で開発したルテニウム触媒反応は生体内での抗体修飾反応に資するものであることが示された。これらの結果について、論文を投稿中である。2020年度に得られた以上の結果は、生体内抗体修飾反応による抗体機能制御に繋がるものである。今後、抗体修飾反応に利用可能な抗体結合ペプチドとルテニウム触媒の架橋体の合成を進めていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2019年度に開発したルテニウム触媒によるタンパク修飾反応を所属研究室の既存技術と組み合わせることで、細胞系およびin vivo系においても利用できる触媒反応であることを示すことに成功した。本結果について、論文を投稿中であり、2020年度は「おおむね順調に進展している。 」と評価した。

今後の研究の推進方策

2020年度は、実際に生体内での金属触媒反応を実施し、担がんマウスの体内で細胞表面修飾反応を行うことに成功した。すなわち、in vivoで用いることのできる金属触媒反応であることを示した。2021年度は、これまでに報告している抗体結合ペプチドと触媒の複合体を調製し、抗体に結合することのできる触媒構造を合成し、実際に抗体修飾反応を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Disease-associated acrolein: A possible diagnostic and therapeutic substrate for in vivo synthetic chemistry2020

    • 著者名/発表者名
      Muguruma Kyohei、Pradipta Ambara R.、Ode Yudai、Terashima Kazuki、Michiba Hiroyuki、Fujii Motoko、Tanaka Katsunori
    • 雑誌名

      Bioorganic & Medicinal Chemistry

      巻: 28 ページ: 115831~115831

    • DOI

      10.1016/j.bmc.2020.115831

    • 査読あり
  • [学会発表] マウス体内でのルテニウム触媒反応によるがん治療2021

    • 著者名/発表者名
      六車共平、Peni Ahmadi、張宗哲、田中克典、
    • 学会等名
      日本化学会 第101 春季年会

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公開日: 2021-12-27  

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