研究実績の概要 |
特殊構造高分子であるボトルブラシポリマーは、無数の高分子側鎖が高密度でグラフトされているため、溶液中でエンタングルメントすることなく振る舞う上、高分子側鎖に様々な官能基を導入することができる。この性質をうまく使うことでこれまでにない新規ハイドロゲルの創製が可能になると考え研究を実施してきた。 当該年度においては、まず(1)ボトルブラシポリマーハイドロゲルの基本物性について報告し、力学強度に優れたハイドロゲルのビルディングブロックとして有用であることを示した(Chem. Mater. 2021, 33, 14, 5748-5756.)。次に、(2)その伸長した側鎖からなる性質として、ハイドロゲルは非膨潤性に優れる上、ボトルブラシポリマーを用いると四分岐高分子などと比べ100倍以上も早いゲル化速度を示すことを明らかにした(Adv. Sci. 2021, 8, 16, 2100968)。更に、(3)ボトルブラシポリマーを錯形成架橋して得られる自己修復性エラストマーはネットワークの組み換えの速度論において特徴があり、室温自己修復といった機能を実現するための重要な礎となることを報告した(Soft Matter, 2022, 18, 3644.)。
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