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2020 年度 実績報告書

ヒトの発達初期における受容野構造の形成過程

研究課題

研究課題/領域番号 19J00760
研究機関中央大学

研究代表者

中島 悠介  中央大学, 文学部, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2019-04-25 – 2022-03-31
キーワード運動視 / 受容野 / 周辺抑制 / 乳児 / 発達 / 実験心理学
研究実績の概要

視覚運動刺激を知覚する際,刺激サイズが大きくなるほど運動方向の知覚が困難になるという現象が見られる。これは,周辺抑制という視覚皮質ニューロンの受容野メカニズムを反映した知覚現象だと考えられている。本研究では,受容野構造の初期発達過程を検討するために,乳児を対象として周辺抑制の発達過程を調べた。
昨年度に実施した実験により,運動視における周辺抑制が,ヒトの乳児では生後半年程度まで未発達であることが明らかになった。本年度は,この研究成果をさらに発展させるために,運動視における周辺抑制の発達がどのような神経機構に関わるかについて,脳波計測を用いて検討した。具体的には,定常状態視覚誘発電位(SSVEP)を用いて,初期視覚野とhMT野のどちらで運動視の周辺抑制が生じるかを検討し,乳児で見られた周辺抑制の発達がどちらの脳領域の発達と関わるかを検討した。本年度は,成人を対象に,運動視における周辺抑制の神経基盤を調べる脳波計測実験を行った。感染症拡大の影響から予定よりデータの収集が遅れたが,一定数のデータを取得することができた。実験の結果,一定の実験参加者において,後頭側頭領域(hMT野)で周辺抑制が見られたが,周辺抑制が見られない参加者もおり,結果が一貫しなかった。今後はさらにデータを追加して,引き続き周辺抑制の神経基盤を検討することを予定している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新たに開始した脳波計測実験のセットアップを完了し,成人対象の実験を開始させた。感染症拡大の影響から予定よりデータの収集が遅れたが,一定数のデータを取得し,今後の実験の方針を検討することができた。さらに,昨年度の研究成果を国内学会の口頭セッション(日本基礎心理学会オンライン若手セッション)で発表し,最優秀賞を得ることができた。

今後の研究の推進方策

今年度に開始した成人対象の脳波計測実験のデータ取得を引き続き行い,乳児対象の脳波計測実験を開始する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Perception of invisible masked objects in early infancy2021

    • 著者名/発表者名
      Nakashima Yusuke、Kanazawa So、Yamaguchi Masami K.
    • 雑誌名

      bioRxiv

      巻: - ページ: 1-23

    • DOI

      10.1101/2021.02.15.431195

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 運動視における周辺抑制現象の脳内メカニズム2021

    • 著者名/発表者名
      中島悠介,金沢創,山口真美
    • 学会等名
      日本視覚学会 202 1 年冬季大会
  • [学会発表] 視覚運動処理における周辺抑制の初期発達過程2020

    • 著者名/発表者名
      中島悠介
    • 学会等名
      日本基礎心理学会第 39 回大会オンライン若手セッション

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公開日: 2022-12-28  

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