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2019 年度 実績報告書

加齢に伴う胎盤血管新生制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19J01089
研究機関東京大学

研究代表者

山内(石川) 祐  東京大学, 医科学研究所, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2019-04-25 – 2022-03-31
キーワード老化 / 雌性生殖器 / 受精 / 着床 / 胎盤 / ゲノム編集 / CRISPR/Cas9
研究実績の概要

本研究では妊娠中の胎仔と母体をつなぐ胎盤に着目している。胎盤内にはさまざまな種類の細胞が存在しており、特に胎仔由来と母体由来の血管は近接しあうことで胎仔へ酸素や栄養物の相互運搬を行う。加齢母体では脱落膜分化、成長因子制御、および細胞外マトリックス構成に関する遺伝子発現量変動が報告されているが、詳細なメカニズムは不明なままである。本研究では既報のトランスクリプトーム解析から選定したいくつかの候補遺伝子について遺伝子欠損マウスの作製を行った。CRISPR/Cas9システムを用いて全タンパク質コード領域を欠損させるためにgRNAを設計し、受精卵にエレクトロポレーション(EP)を実施した。現在までに雌雄いずれからもヘテロ欠損マウスを得ているため、今後解析を進める予定である。加えて、本研究では自然加齢させた雌マウスを使用し、胎盤を形成する以前の卵子に対してもトランスクリプトーム解析を行った。得られた結果をもとに老化関連因子の同定を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1. 胎盤関連遺伝子の遺伝子欠損マウスの作製
第1年度目CRISPR/Cas9システムを用いてタンパク質コード領域を欠損させるために開始コドンの5’末端側と終止コドンの3’末端側に対してそれぞれgRNAを設計し、受精卵にエレクトロポレーション(EP)を行った。ジェノタイピングの結果、現在までに雌雄いずれからもヘテロマウスを得ている。加えて、データベースを用いて雌性生殖器に発現していると予想される複数遺伝子に着目しており、同様にCRISPR/Cas9システムを用いて遺伝子欠損マウスを作製した。
2. 卵子を用いたトランスクリプトーム解析
成獣雄マウスと交配をしても産仔が得られないと報告されている8ヶ月齢マウスを用いて体外受精試験および卵子のトランスクリプトーム解析を行い、関連遺伝子の同定を行なっている。

今後の研究の推進方策

1. 胎盤関連遺伝子の遺伝子欠損マウスの作製
ヘテロマウスを用いてホモマウスを得るためにラインの維持を行い、雌ホモマウスと野生型雄マウスとの交配試験を始める予定である。また交配後の雌ホモマウスから日齢毎に胎盤を回収し、組織学的かついくつかのマーカー遺伝子を用いて胎盤形成能の比較・検討を行う。
2. 卵子を用いたトランスクリプトーム解析
先行研究では1年齢(12ヶ月齢)のマウスは妊娠可能だが胎盤の異常によって胎仔が得られないと報告されているが、実際はそれよりも前に加齢の影響が出始めているのではないかと考えている。今後はRNA-seqを用いた大規模解析の解析方法を習得しつつ、加齢よって変動する候補遺伝子の機能解析について進めていく予定である。
加齢に伴って生じる母体の変化についての報告は乏しいため、本研究では胎盤特異的に発現している遺伝子に着目すると同時に胎盤形成に至る前段階の卵子や卵子周辺の細胞についても解析を進めたいと考えている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] EFCAB2 is a novel calcium-binding protein in mouse testis and sperm2019

    • 著者名/発表者名
      Hossam H Shawki, Yu Ishikawa-Yamauchi, Akihiro Kawashima, Yuki Katoh, Manabu Matsuda, Al-Sayed Al-Soudy, Fatma M Minisy, Akihiro Kuno, Xiafukaiti Gulibaikelamu, Takatsugu Hirokawa, Satoru Takahashi, Hisashi Oishi
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 14 ページ: 0214687

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0214687

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] A possible role of EFCAB2 in flagellar motility of mouse sperm2019

    • 著者名/発表者名
      Yu Ishikawa-Yamauchi, Takahide Kashiwagi, Runo Kobayashi, Masahito Ikawa, Tadashi Baba
    • 学会等名
      Gordon Research Conference on Fertilization and Activation of Development
    • 国際学会
  • [学会発表] 加齢に伴う雌雄マウス生殖器の形態変化(Effects of aging on male and female reproduction in mice)2019

    • 著者名/発表者名
      Yu Ishikawa-Yamauchi, Tsutomu Endo, Manabu Ozawa, Masahito Ikawa
    • 学会等名
      2019年度文部科学省新学術領域研究 先端モデル動物支援プラットフォーム 若手支援技術講習会

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公開日: 2021-01-27  

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