研究課題/領域番号 |
19J01290
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
木本 充彦 慶應義塾大学, 理工学部, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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キーワード | 知能ロボティクス / ヒューマンロボットインタラクション / 引き込み現象 |
研究実績の概要 |
本研究では,人のロボットへの引き込まれ方と性格との関係性を明らかにし,対話の過程で人の性格に応じて動的に情報提供方法を調整するロボットシステムの実現を目指す.人は無意識に対話相手の利用した語句を模倣する現象が知られており,語句の引き込み現象(同調現象)と呼ばれる.本研究では,この引き込み現象に着目している.本年度は,人とロボット間の引き込み現象に関して,ロボットと人を含むグループ対話実験を設計し,実験を行った.具体的には,ロボットと複数名の人が対面し,コンピュータディスプレイ上に表示された地図を参照しながら互いに道案内を行うタスクを設計した.そして,人がロボットや他者の使用する語句に応じてどのように使用する語句を変化させるのかを調査した.特に,ロボットに同調する他の参加者を観測することは,観測者の語彙の同調傾向に影響を与えるのか,に着目した.グループ対話では,参加者はグループ内の共通理解を獲得しようとする.そのため,ある参加者が他の参加者に同調している/していないといった同調傾向は,参加者間の同調傾向に影響を与えると考えられ,これより,ロボットを含むグループ対話における引き込み現象の理解にとって不可欠であると考えたためである.実験の結果「他者のロボットへの同調を観測した観測者は人・ロボット双方への同調を減少させる」など,新たな知見を得ることができた.これはロボットと対話する際に人がどのように語句を変化させるのか,対話過程理解に役立つ結果である.これらの研究成果は,国内・国際会議において発表を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ロボットと対話する人がどのように語句を変化させるのか基礎的知見を得ることができた.また予備的に人の性格特性に関するデータも得ることができた.人のロボットへの引き込まれ方と性格との関係性については未だ明らかになっていないが,次年度以降の研究実施に役立つデータも得られており,おおむね順調に進展していると考える.
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り,対話を通した人の性格特性把握機構の研究開発を進める.特に,今年度得られたデータに加えて,人の身体動作にも注目した対話実験を新たに設計し実施する.
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