本年度は,前年度までに構築した人の性格を発話音声特徴量から推定するモデルを利用し,話し方から受ける人の性格に関する印象,見かけの性格を変化させるための発話支援システムを構築し,評価した.具体的には,スピーチ音声を入力としてその見かけの性格を推定し,発話者が希望する性格が反映されたスピーチを行う為に,どのように話し方を変化させればよいのか,アドバイス情報を提供するシステムを構築した.オフライン実験の結果,提案システムを利用することで,システムを利用せずにスピーチした場合と比較して,選択された性格特性らしいスピーチを行えることが明らかになった.またオフライン実験で得られたスピーチ音声の印象を評価するオンライン実験の結果,システムを利用して得られたスピーチ音声は,利用しない場合と比較してより自然に聞こえ,また,より好ましいと評価されることも明らかになった.他にロボットによる情報提供方法に関わる研究として,ロボットがモノに触れながら説明することの効果を検証する実験も行った.実験の結果,ロボットが説明対象に触れながら説明することで,人はロボットが説明対象をかわいいと感じているという印象受け,また同時に人が説明対象に抱くかわいいという感情が高まることが明らかになった.これらは,ロボットによる効果的な情報提供実現に向けて有用な知見である.成果発表として,本年度までに得られた成果を取りまとめ,複数の国際論文誌に採択された.
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