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2019 年度 実績報告書

熱帯樹木のリン欠乏への適応と生態系への波及効果

研究課題

研究課題/領域番号 19J01435
研究機関国立研究開発法人森林研究・整備機構

研究代表者

青柳 亮太  国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所森林植生研究領域, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2019-04-25 – 2022-03-31
キーワード熱帯雨林 / リン / 適応 / 個体群生態学 / 生態系生態学 / 機能形質 / マレーシア / パナマ
研究実績の概要

本研究では、熱帯樹木を対象にリン欠乏に対する樹木の適応とそれらが樹木の個体群動態を通して森林バイオマスにどのような影響をあたえるかを明らかにすることを目的とする(これを新熱帯パナマと旧熱帯ボルネオの2地域で達成する)。本年度は、マレーシアにおける研究許可やデータの収集などに努めた他、パナマにおいては、ゲノムサイズと適応の関係、リン欠乏に適応した種の成長・死亡の特性を解析した。その一例について記述する。

研究「新熱帯パナマにおける樹木のリン欠乏への適応が成長速度と死亡率に及ぼす影響」
方法:パナマ運河周辺に設置された45プロットの個体群動態データを利用した。それらプロット内に出現する410樹種の成長速度・生存率を、ベイズモデルを用いてモデル化し、環境要因(土壌リン、降水量、光環境)とサイズを標準化し種間比較を行った。
結果: モデル解析によって、中間的な環境で比較すると、リン欠乏に適応した種はそうでない種に比べ成長速度が高く、死亡率が低いことが示された。この結果は、リン欠乏に適応した種が存在することによって、森林の生産性・バイオマスが保たれているとする本研究の仮説と一致するものである。また、この結果は、貧栄養に適応した種は「成長速度を犠牲に生存率を高めるように適応する」とする従来のパラダイムと異なる結果であり、植物のリン適応の新たな側面を示唆する結果でもある、これらの成果を論文にまとめたが出版にまではこぎつけることができなかった。2020年度中に出版できるように努力する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は研究の下準備を計画的に進めた。現地期間との協力体制の形成、ゲノムサイズ、葉・材などの形質、個体群動態データの収集も進めることができた。論文も2本原稿を作成し、共著者に回覧するところまで仕上げることができたが、受理に持ち込むことはできなかったので、次年度はこれらを論文としてまとめるよう尽力する、

今後の研究の推進方策

本年度の準備をもとに、マレーシア、パナマにて現地調査を行い、多くのデータを取得することを目的とする。コロナウイルスによる自粛が長期化すると思われるので、その間は、論文執筆やこれまでにとったデータの解析・整理を進める。特に本年度マレーシアで取得したデータはまだ解析途中なので、この点を論文にまとめる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 国際共同研究 (2件)

  • [国際共同研究] Sabah Forest Research Center(マレーシア)

    • 国名
      マレーシア
    • 外国機関名
      Sabah Forest Research Center
  • [国際共同研究] Smithsonian Tropical Research Institute(パナマ)

    • 国名
      パナマ
    • 外国機関名
      Smithsonian Tropical Research Institute

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公開日: 2021-01-27  

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