研究課題
伴侶動物として日本で今最も飼育されているネコであるが、意外にもそのこころの働きについてはあまり調べられていない。本研究課題は、ネコが生育環境によって、どのようなこころの柔軟性があるのかを明らかにすることを目的としている。特に、ネコ-ヒト間の異種間コミュニケーションの基盤となる社会的な認知能力に焦点をあてた。本年度の成果として、普段から知らない人と多く接する機会のあるネコカフェのネコと、自宅で飼育されている家庭ネコとの間に飼い主の声と顔の認識に関して異なるという結果が得られた。近年、ネコという種の認知機能については少しずつ明らかになってきたが、この成果の意義は、そこからさらに踏み込んで、生育環境がネコの認知に影響することを明らかにしたことである。本成果は国際誌Animal Cognition誌に受理された。また平行して、ネコ-ヒト間のコミュニケーションに欠かせない「言語能力」に関する実験のデータも取得している。このデータは次年度に発表できる予定である。
2: おおむね順調に進展している
初年度の成果として国際誌への論文が受理されたことに加え、新しい機関で研究を始めるにあたっての基盤をつくり、さらにデータも多くとれていることから、おおむね順調に進展しているといえる。
前年度取得したデータに関しての分析を行い、その結果をみて指導教官と相談しながら実験を進めていく予定である。特に研究計画の変更は予定していない。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件) 備考 (1件)
Pet Behabior Science
巻: 9 ページ: 16-33
https://doi.org/10.21071/pbs.vi9.12176
Animal Cognition
巻: 22 ページ: 901-906
https://doi.org/10.1007/s10071-019-01265-2
https://sites.google.com/view/campnyantokyo