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2021 年度 実績報告書

正常造血および造血器腫瘍におけるクロマチン修飾因子の翻訳後修飾が果たす役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19J01570
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

浅田 修平  東京女子医科大学, 実験動物研究所, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2019-04-25 – 2022-03-31
キーワードASXL1 / リン酸化 / ユビキチン化
研究実績の概要

正常造血におけるクロマチン修飾因子であるASXL1のリン酸化の意義を探索すべく、ASXL1の主要なリン酸化部位であるS503残基について探索を行った。リン酸化抗体を用いた検討の結果、S503残基はCDK1/2によってリン酸化されることを突き止めた。次に、本リン酸化部位の正常造血における役割を検討すべく、ヒトS503残基に相当するマウスAsxl1 S500残基において、非リン酸化模倣S500A変異体をノックインしたマウスを作製し、解析を行った。Asxl1 S500Aホモノックイン、ヘテロノックイン、野生型について約一年間の経過にて、血液学的表現系は認められなかった。このことから、ASXL1がCDKによるリン酸化部位を複数有し、そのいずれかが代償する可能性が考えられた。実際、C末端欠損型ASXL1変異蛋白において、単独もしくは数個のリン酸化残基の置換では変化は認められなかったが、6つのCDKによってリン酸化されるセリン・スレオニン残基を全てアラニンに変化することで、APC/C_CDC20複合体からのポリユビキチン化による分解を免れ、安定性が増加し、より腫瘍原性が高まることを見出した。さらに、変異型ASXL1の発現はCDK1/2阻害薬への抵抗性の獲得を惹起した。以上より、クロマチン修飾因子ASXL1のリン酸化修飾およびそれに付随するユビキチン化修飾により、ヒストン修飾が変化し、遺伝子発現が変化することを明らかにした。
また、マウス白血病細胞によるゲノムワイドのCRISPRスクリーニングの結果、他のクロマチン修飾因子の発現上昇が薬剤治療抵抗性に関わっている可能性を見出した。一方、本クロマチン修飾因子のノックアウトにて細胞増殖が抑制されることから、本クロマチン修飾因子およびその翻訳後修飾が白血病治療抵抗細胞の標的因子となる可能性が示唆された。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] Clonal hematopoiesis and associated diseases: A review of recent findings2021

    • 著者名/発表者名
      Asada S, Kitamura T
    • 雑誌名

      Cancer Science

      巻: 112(10) ページ: 3962-3971

    • DOI

      10.1111/cas.15094

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] A histone modifier, ASXL1, interacts with NONO and is involved in paraspeckle formation in hematopoietic cells2021

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto K, Goyama S, Asada S, Fujino T, Yonezawa T, Sato N, Takeda R, Tsuchiya A, Fukuyama T, Tanaka Y, Yokoyama A, Toya H, Kon A, Nannya Y, Onoguchi-Mizutani R, Nakagawa S, Hirose T, Ogawa S, Akimitsu N, Kitamura T
    • 雑誌名

      Cell Reports

      巻: 36(8) ページ: 109576

    • DOI

      10.1016/j.celrep.2021.109576

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2022-12-28  

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