研究課題
申請者はこれまでに、太陽光に含まれる紫外線や強度の強い可視光 (強光) によって障害を受けた葉緑体が、丸ごと液胞内へと輸送・除去されるオートファジー経路「選択的クロロファジー」経路の存在を示した。本研究では、特に障害葉緑体を認識するレセプター機構について分子レベルでの理解を進めるために、植物遺伝学の手法を駆使する順遺伝学スクリーニングと、ケミカルバイオロジーの手法を取り入れるケミカルスクリーニングを行い、得られた結果に応じて両者を連携、補填しながら研究を進めた。順遺伝学スクリーニングでは、昨年度までの解析で得られたクロロファジー特異的変異株の原因遺伝子について、T-DNA挿入変異株やCRISPR/Cas9法による欠損株を複数整備し、クロロファジー活性への影響を試験し、同定した遺伝子がクロロファジー経路の過程で機能していることを確認した。これと並行して、原因遺伝子を対象に、蛍光タンパク質融合コンストラクトを作製し、植物体内での局在解析を行った。クロロファジー抑制化合物を単離するケミカルスクリーニングでは、昨年度までに単離した候補化合物を対象に濃度依存性の活性評価を行い、安定して抑制効果を示す化合物を28種類選抜することに成功した。特に、抑制効果の高い化合物について、その構造を基に類縁化合物を作製し、構造活性相関解析を行った。これにより、抑制活性に必要な構造を絞り込むことができた。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Chemical Communications
巻: 58 ページ: 1685~1688
10.1039/d1cc05798g
Biochimica et Biophysica Acta (BBA) - General Subjects
巻: 1865 ページ: 129916~129916
10.1016/j.bbagen.2021.129916