| 研究課題/領域番号 |
19J01734
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| 研究機関 | 上智大学 |
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研究代表者 |
平野 雅人 上智大学, 上智大学, 特別研究員(PD) (40852223)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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| キーワード | 体性感覚 / 熟練運動スキル / 感覚トレーニング / 運動制御 |
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| 研究実績の概要 |
本研究課題の目的は，熟練者の卓越した運動スキルをさらに高める最適なトレーニング法を開発することである．本年度はまず強化学習の学習理論に基づくトレーニング法の効果を検証するため，複数の鍵盤の重量を操作可能なデバイス・システム開発を実施し，予備実験を実施した．
強化学習の理論とは試行錯誤駅に様々な運動を実行し，報酬が大きな動作を学習するといった学習理論である．熟練者の運動スキルは運動のばらつきが少なく，試行錯誤の量が低下していると考えられ，それが学習を停滞させていると仮説を立てた．そこで本研究ではピアノ鍵盤の打鍵運動を対象とし，演奏中に鍵盤の重量を操作しパフォーマンスへ外乱を加え，運動のばらつきを人為的に増大させるシステムを開発した．しかし，小型モーターを用いたシステムであったため重量の操作量に限界があり，予想していたよりも運動のバラつきを増大させることができず，予備実験においてはパフォーマンスを向上させることができなかった．そこで現在はモーターの出力を増大させ，鍵盤の重量をより大きく操作できるシステムの開発に取り組んでいる．
上記実験がシステムの開発待ちとなったため，使用依存的学習の学習理論に基づくトレーニング法の開発に着手した．使用依存的学習とは，エラーや報酬に関連せず，過去の運動や感覚を反復するように次の運動がバイアスを受けるという理論である．そこで本研究では，手指用の外骨格ロボットを用い手の五指を受動的に動かせるデバイスを開発し，そのデバイスを用いて課題曲（ショパンOp.10-2）の運指を繰り返させるシステムを作成した．現在，予備実験を実施中であり，次年度に本実験を実施する予定である．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は2つの新規実験のセットアップを実施し，複数鍵盤の重量の操作システムおよび手指の外骨格ロボットを用いた運動体験システムがおおむね完成した．前者はさらに改良中である．当初の計画とは順番が入れ替わったが，すべて滞りなく進んでおり，研究はおおむね順調に進展していると言える．
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| 今後の研究の推進方策 |
次年度は，使用依存的学習の学習理論に基づくトレーニング法に関して予備実験を完了させ，本実験を実施する予定である．また，強化学習の学習理論に基づくトレーニング法の効果検証も，システムの再開発が終了次第，予備実験と本実験を実施する．これらの研究結果を基に，熟練運動スキルを更に促進するトレーニング法を解明し，その成果を国際学術誌や国内外の学会で発表する．
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