研究課題
ウミスズメ科ウトウが繁殖期にクチバシ上に備えるツノの機能を探る流体力学実験に取り組んだ。昨年度に進めた、ウトウの実験用模型と回流水槽を用いた流体力学実験を継続した。昨年度までの実験により、模型間で抵抗に差が生じることが明らかとなっていた。そこで本年度は抵抗に差が生じる原因を探るために流れの可視化実験に取り組んだ。その結果、ツノが存在する特定の条件下で、胴体近傍の流れの剥離を遅らせる効果を発見した。これらの成果を取りまとめて、国際誌への掲載を目指して学術論文の執筆に取りくんだ。こうした力学的なアプローチによって、生物の進化や生態の理解を深めようとする分野は“進化バイオメカニクス”と呼ばれる。国内では認知度が低い分野であるため、進化バイオメカニクスの普及のために総説論文を発表した。コロナ禍の影響で当初計画していた野外調査は中止せざるを得なかった。ただし、調査地近くに拠点を持つ共同研究者に協力してもらい、ウトウの行動データをいくらか取得することもできた。例えば、群れ飛行するウトウを撮影し、群れ飛行の戦略に関する分析ができた。その成果は学術論文としてまとめ、投稿間近である。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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日本生態学会誌
巻: 72 ページ: 55-61
10.18960/seitai.72.1_55
Journal of Experimental Biology
巻: 224 ページ: 1-20
10.1242/jeb.242140