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2019 年度 実績報告書

ゲージ場の量子論における赤外構造の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19J10588
研究機関大阪大学

研究代表者

平井 隼人  大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2019-04-25 – 2021-03-31
キーワードゲージ理論 / S行列 / 赤外発散
研究実績の概要

従来の解析においてS行列が赤外発散する原因として、電磁相互作用や重力相互作用は力の到達距離が無限大である長距離力であるのにも関わらず、遠距離での素粒子の相互作用を無視し、散乱解析における素粒子の漸近状態を自由粒子として取り扱っていることが考えられる。従って、私たちは素粒子の散乱現象における漸近状態に長距離相互作用の効果を取り入れることで赤外発散が生じないS行列の構成を図る研究を行った。
量子電磁力学において、赤外発散が生じないS行列に対する正しい漸近状態の候補としてFaddeev-Kulish(F-K)のドレス化状態が知られていたが、F-Kのドレス化状態はゲージ不変でないという問題があった。始めに、私たちはこの問題の解決を行った。従来の解析においてF-Kのドレス化状態のゲージ不変性の条件としてGupta-Bleuler条件が用いられていた。私たちはこの条件には相互作用の効果が正しく取り入れられていないことを明らかにし、相互作用の効果を取り入れた改良された(BRST)条件を導出した。さらに、F-Kのドレス化状態が導出した新しい条件の解であることを示すことでF-Kのドレス化状態がゲージ不変な状態であることを明らかにした。また、F-Kのドレス化状態に対する漸近対称性の電荷の作用を調べることで、F-Kのドレス化状態は電子が相対論的クーロン場に囲まれた状態であることを明らかにした。さらに、ドレス化状態間のS行列に対する拘束条件として漸近対称性に関する電荷の保存則を導いた。
これらの研究結果はF-Kドレス化状態の物理状態としての性質の良さ、数学的な整合性を裏付けるものであり、今後の赤外発散が生じないS行列の構成の研究の基礎となるものと期待できる。

現在までの達成度 (段落)

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

今後の研究の推進方策

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Shrinking of operators in quantum error correction and AdS/CFT2019

    • 著者名/発表者名
      Hirai Hayato
    • 雑誌名

      Journal of High Energy Physics

      巻: 2019 ページ: -

    • DOI

      10.1007/JHEP12(2019)128

  • [雑誌論文] Dressed states from gauge invariance2019

    • 著者名/発表者名
      Hirai Hayato、Sugishita Sotaro
    • 雑誌名

      Journal of High Energy Physics

      巻: 2019 ページ: -

    • DOI

      10.1007/JHEP06(2019)023

  • [学会発表] Shrinking of Operators in Quantum Error Correction and AdS/CFT2019

    • 著者名/発表者名
      Hayato Hirai
    • 学会等名
      Quantum Information and String Theory 2019
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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