研究課題/領域番号 |
19J10679
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
CHO JOSEPH 神戸大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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キーワード | 双等温曲面 / ダルブー変換 / ワイエルシュトラス型の表現公式 |
研究実績の概要 |
本年度はミンコフスキー空間形内の時間的双等温曲面の解析と変換理論の理解を目標とした. この目標に関して得られた主な成果は以下の通りである. 1. ユークリッド計量を持つの特集な曲面のクラスで「ワイエルシュトラス型の表現公式」を持つ曲面は色々存在し、よく知られているユークリッド空間の極小曲面や双曲空間の平均曲率1曲面、ミンコフスキー空間の極大曲面などが含まれている. 最近、Pember氏によってこのクラスの曲面が持つワイエルシュトラス型の表現公式は球面幾何の一つである「ラゲール幾何」を用いて統一化出来る事が明確になった. 従って、赤嶺新太郎氏、Pember氏と協力し、ローレンツ計量を持つ時間的曲面の内、「ワイエルシュトラス型の表現公式」持つ曲面を符号数(2,2)を持つ非ユークリッド空間を用いて研究し統一化する手掛りがえられ、特に時間的極小曲面の「ナル座標」との関係を調べた. 2. ユークリッド空間形内の双等温曲面には「Ribaucour球面叢」を用いて得られる「ダルブー変換」が存在し、ある「spectral parameter」に依存する変換には「可換律」が存在する事が知られている. 普通、積分が必要なダルブー変換は可換律を用いたら2回目のダルブー変換は代数的方法で得られるが、その場合には二つのspectral parameterが異なる条件が必要である. Leschke氏と緒方勇太氏と協力し、二つのspectral parameterが同じ場合でも1回の成分だけで済ませる「一般化した可換律」が得られた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定では符号数(3,2)の「メビウス型幾何」を用いて時間的双等温曲面の特徴付けと解析を行う予定であったが、本年度は符号数(2,2)のラゲール型幾何を用いて時間的曲面の解析を行った. メビウス型幾何とラゲール型幾何は両方「リー球面型幾何」に含まれ、ラゲール型幾何の理解はメビウス型幾何の理解に密接に関係していることから,研究はおおむね順調に進展していると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
今年度は昨年度に得られた成果に基づいて、時間的曲面の変換理論とその変換理論の間の可換律を調べる. 特に時間的双等温曲面には「Christoffel型変換」、「ダルブー型変換」、「Calapso型変換」などの変換の存在が期待されているが、今年度はあの変換が「ナル座標」に与える影響を調べ、曲面の変換に対応する「ナル曲線」の変換を定義する. この事でナル曲線のクラスと可積分系との関係を明確にする.
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