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2020 年度 実績報告書

日本型地理的犯罪予測手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19J10704
研究機関筑波大学

研究代表者

大山 智也  筑波大学, システム情報系, 助教

研究期間 (年度) 2019-04-25 – 2021-03-31
キーワード犯罪予測 / 犯罪予防 / 環境犯罪学 / 地理空間情報 / 人流ビッグデータ / 空間統計
研究実績の概要

本研究では,日本における地理的犯罪予測手法の確立にむけた研究を行った.
既存の犯罪学理論をもとに,日本で考慮すべき犯罪予測因子を,長期的・潜在的リスク(施設分布,社会経済的特性による固定的なリスク形成効果)と短期的・顕在的リスク(直近で発生した犯罪による急激なリスク増大効果)とに整理した上で,日本では前者のリスクが優勢と考え,これをベースに後者を組み合わせる(前者で推定されたリスクに,後者のリスクを乗算する)方法を提案した.この基本的なコンセプトをもとに,各罪種に適した予測モデルをそれぞれ作成し,予測性能を検証すべく3つの研究を行った.
研究1として,車上狙い・部品狙いに対し,過去の犯罪蓄積を施設分布等の情報で空間回帰した残差を用いることで,未知の長期的・潜在的リスクを推定するなどのアイディアからモデルを作成し,予測精度は既存モデルに比して平均で1.6倍ほど向上,そのばらつき(S.D.)も5割程度減少するなど,予測の安定性も向上した.
研究2として,電車内を除く公共空間(路上,公園など)で発生した痴漢に新手法を適用し,施設分布の状況のほか,人流ビッグデータを利用しながら,ゼロ過剰な負の二項回帰を用いるなどのアイディアからモデルを作成し,既存モデルから平均して1.2倍ほどの予測精度を得た.
研究3として,日本の犯罪情勢上の関心事である特殊詐欺のうち,主に高齢者を無人ATMに誘導して振り込ませる還付金等詐欺について,ATMの周辺環境,特に施設のどこにATMが設置されているか(買い物客,スタッフの目に触れる場所にあるか等)といった情報,および警察担当者との現地調査から設定した変数を利用しながら,マルチレベル負の二項回帰を用いるなどのアイディアからモデルを作成,ランダムな予測と比較して2倍以上の予測精度を得た.

現在までの達成度 (段落)

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

備考

研究成果をまとめた博士論文を収蔵

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2020 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 犯罪発生マップにおける地図表現の実態と閲覧者の認知への影響:配色と分類手法の異なる複数の地図を用いた心理実験2020

    • 著者名/発表者名
      山根万由子・雨宮護・白川真裕・大山智也・島田貴仁
    • 雑誌名

      都市計画論文集

      巻: 55 ページ: 385-392

    • DOI

      10.11361/journalcpij.55.385

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 短期的・長期的リスクを組み合わせた犯罪予測手法の構築 -長期的リスク概念の拡張と短期的リスクの導入方法に関する検討-2020

    • 著者名/発表者名
      大山智也・雨宮護
    • 雑誌名

      GIS: 理論と応用

      巻: 28 ページ: 1-11

    • 査読あり
  • [学会発表] 短期的・長期的リスクを考慮した痴漢発生の予測―人の流れデータによる自然監視性の検討―2020

    • 著者名/発表者名
      大山智也・雨宮護
    • 学会等名
      IEICE ヒューマンプローブ第22回研究会
  • [備考] つくばリポジトリ

    • URL

      https://tsukuba.repo.nii.ac.jp/records/54980#.YIvyr7XumUk

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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