研究課題
微粉化活性炭(微粉炭)を主流の浄水方式である凝集沈殿砂ろ過へ適用するためには,高い粒子除去率をもつ分離操作が求められる.凝集沈殿砂ろ過による粒子分離は凝集工程がカギとなるが,凝集剤自体の加水分解特性と凝集特性の関連および粒子除去性に及ぼす水理条件(滞留時間分布)の影響はこれまでに明らかとなっていない.また,活性炭を実際の浄水処理場で使用する際に共存する粘土粒子,マイクロプラスチック(MP),ウイルス等の懸濁粒子と活性炭粒子の除去性の相違は検討されていない.本年度は,凝集剤の加水分解特性と凝集特性の関連および粒子除去性に及ぼす滞留時間分布の影響を明らかにすることおよび,活性炭粒子と粘土粒子,MP,ウイルスの除去特性を明らかにすることを目的とした.まず,微粉炭を処理対象として流通型の凝集沈殿砂ろ過浄水処理を行い,凝集反応槽の槽割数に起因する滞留時間分布およびアルミニウム系凝集剤種が微粉炭の除去性におよぼす影響を調査した.その結果,浄水処理工程の第一ステップにあたる凝集過程において超高塩基度ポリ塩化アルミニウムに多く含まれる高重合度のアルミニウム種を十分な滞留時間のもと反応させることが微粉炭の集塊化を促進し,低残留性を達成することを見出した.つぎに,微粉炭をはじめ,浄水処理で課題となる粒子(粘土粒子,MP)およびウイルスの除去性を同一の凝集沈澱砂ろ過条件のもと調査した.その結果,全ての粒子に共通して凝集沈澱における除去率が高く,微粉炭は他の粒子よりも砂ろ過による除去率が高いため全体として高除去率となることを明らかにした.研究成果を2編の論文にまとめ,分野国際トップジャーナルに採録された.また,研究成果を国際会議1件と国内学会1件で報告した.
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
Water Research
巻: 190 ページ: 116786~116786
10.1016/j.watres.2020.116786
巻: 183 ページ: 116093~116093
10.1016/j.watres.2020.116093