研究課題/領域番号 |
19J11758
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
小山 拓 東京理科大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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キーワード | 火害 / メゾスケール / マイクロスケール / コンクリート / モルタル / 水酸化カルシウム / 画像相関法 / X線トモグラフィー |
研究実績の概要 |
本研究は受熱したコンクリートにおける水和物から圧縮強度を推定する方法を確立する方法を確立することを目的としている。本年度の予定ではX線トモグラフィーの測定と中性子ラジオグラフィ―の測定を主に検討していたが、現在中性子トモグラフィーの測定を終えている状態である。またメゾスケールとマイクロスケールの損傷を明らかにすることを目的としていた。 マイクロスケールの損傷を明らかにするためのX線マイクロトモグラフィーは来年度実施する予定である。高温作用を受けたモルタルの力学的性質に与える細骨材の影響については試験体を作成した段階であり、今後測定を行う予定である。また、使用骨材については当初硬質砂岩、石灰岩、安山岩を用いる予定であったが硬質砂岩と石灰岩の比較を行うこととする。実験手法はすでに申請者の修士論文時に確立しているため、測定をすぐに実施できる状況にある。 メゾスケールの損傷を明らかにするため画像相関法の解析手法を本年度に取得した。本年度に試験体を作成し、使用できるカメラらを購入することで実験的に粗骨材とモルタル界面に生じるひずみを測定可能である。しかし、有限要素法を用いた解析的手法によるモルタルと粗骨材界面に生じる熱応力の判定は申請者の解析技術が足りず、本年度内に実施できる見込みが立たないため、有限要素法を用いた解析的な手法による研究は断念し実験的な手法を軸とした研究手法に切り替えていく。 また、マクロスケールの現象である加熱履歴を受けたコンクリートの残存圧縮強度は既往文献ですでに明らかにされているが本研究のサンプル条件に該当するデータが不足している。よってマクロスケールの現象である。加熱履歴を受けたコンクリートの残存圧縮強度の測定を行う予定とする。以上の測定を行うことで骨材種毎の比較を行うための圧縮試験と加熱履歴による水和物の変化を明らかにすることを目標とする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の進捗状況測定が終了している項目数を考慮すれば遅れている。しかし、各測定手法はすでに習得、確立しているため本年度中に各測定を終了させることは可能である。解析的手法は昨年度中に習得できなかったため今後は実験的手法から加熱履歴を受けたコンクリートの損傷メカニズムを明らかにする予定である。 マイクロトモグラフィーによる受熱したモルタルのミクロストラクチャーの解明に関する研究については損傷を明らかにするためのX線マイクロトモグラフィーは来年度実施する予定である。学内に測定を行うための装置がないため測定を依頼する予定である。現在、測定装置を所有する組織、団体を探しており、サンプルや測定条件を精査したうえで測定を依頼する予定である。 高温作用を受けたモルタルの力学的性質に与える細骨材に与える影響についてはサンプル準備が一部作成済みであり、随時測定予定である。実験手法はすでに申請者の修士論文時に確立しているため、測定をすぐに実施できる状況にある。また、当初比較するための使用骨材を石灰岩、硬質砂岩、安山岩としていたが、安山岩の取得が昨年度中にできなかったため現在所有している骨材である青梅産硬質砂岩と佐野産石灰岩の二種をサンプルに使用し比較検討を行う予定である。 モルタルと粗骨材間に生じる熱応力による損傷についての研究は画像相関法の解析手法を本年度に取得した。本年度に試験体を作成し、使用できるカメラらを購入することで実験的に粗骨材とモルタル界面に生じるひずみを測定可能である。 また、マクロスケールの現象である加熱履歴を受けたコンクリートの残存圧縮強度は既往文献ですでに明らかにされているが本研究のサンプル条件に該当するデータが不足している。よってマクロスケールの現象である。加熱履歴を受けたコンクリートの残存圧縮強度の測定を行う予定とする。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究においてマイクロトモグラフィー、熱膨張・弾性係数測定、画像相関法による粗骨材モルタル間に生じるひずみ分布、加熱履歴を受けたコンクリートの残存圧縮強度以上に示す4つの測定項目を行う。 本年度の7月までに熱膨張・弾性係数測定を終了させる予定である。すでにサンプルは一部作製済みであり測定を今すぐに開始できる状況にある。マイクロトモグラフィーは熱膨張・弾性係数測定と並行して測定装置を所有する組織、団体と打ち合わせを行い、7月以降に測定を行いたいと考えている。画像相関法によるひずみ分布測定については9月までにサンプル作成を行い10月に測定が開始できる状況にする。今年度10月までに使用機材カメラの購入を進める予定である。加熱履歴を受けたコンクリートの残存圧縮強度の測定は画像相関法によるひずみ分布の測定と並行して行い、9月ごろにサンプル作成を行い12月に試験を実施する。以上の4つの項目を測定後、考察を行い、論文を作成する。
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