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2019 年度 実績報告書

ALK遺伝子異常を標的とした革新的治療薬開発

研究課題

研究課題/領域番号 19J11815
研究機関千葉大学

研究代表者

太田 陽子  千葉大学, 大学院医学薬学府, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2019-04-25 – 2021-03-31
キーワードALK遺伝子 / 神経芽腫 / PIポリアミド
研究実績の概要

これまでの研究において、ALK遺伝子F1174L変異配列に特異的に結合することができる化合物であるCCC-003を設計・合成し、ALK F1174L変異をもつSH-SY5Y細胞を用いてqPCRやWestern blotを行った結果、in vitroにおいてCCC-003はALKの発現を抑制することが分かった。そこで平成31年度ではまず、ALKF1174L変異配列DNAに対するCCC-003の結合能を評価するために、C末端のアルキル化分子であるCBIをdimethylaminopropylamine (Dp)に置き換えたCCC-003-Dpを合成し、Biacore x100を用いたSPRアッセイに供し、親和定数を求めた。コントロール化合物として、ミスマッチPIポリアミド(ALK-mis-Dp)を合成し、比較検討を行った。その結果、フルマッチ配列であるCCC-003-DpではDNAとの高い親和力が計測されたが、別の認識配列をもつALK-mis-Dpでは結合が観測されなかった。以上の結果から、CCC-003は設計した標的DNA配列に対し高い親和性を有することが示された。
また以前の研究において行ったWSTアッセイの結果から、CCC-003はALKF1174L陽性のSH-SY5Y細胞に対し細胞増殖抑制効果をもつことが示されたことから、平成31年度ではCCC-003の抗腫瘍効果をin vivoで評価するために、SH-SY5Y細胞による担がんマウスを用いた投与実験を行った。その結果、CCC-003投与群では、DMSO投与群と比較して、腫瘍の増殖が抑制される傾向が認められた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

作成した化合物のALK変異配列DNAに対する結合能を調べたところ、高い親和性が明らかになり、化合物がin vitroにおいてALKの発現を抑制することを裏付ける結果が得られた。
さらに、上記の化合物がin vivoでも細胞増殖抑制効果を持つ傾向が認められ、in vitroの結果と同様の結果が得られた。

今後の研究の推進方策

CCC-003の抗腫瘍効果をin vivoで評価するために、SH-SY5Y細胞による担がんマウスを用いた投与実験を行い、CCC-003投与群では、DMSO投与群と比較して、腫瘍の増殖が抑制されるという結果の再現性の確認と統計解析を行うために、個体数を増やした追試験を行う予定としている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Ewing肉腫のEWS-FLI1融合遺伝子を標的としたアルキル化ピロール・イミダゾールポリアミド化合物の開発2019

    • 著者名/発表者名
      太田陽子、養田裕行、渡部隆義、平岡桐子、クリシュナムーティ・サクテイシリ、ジェイソン リン、篠崎喜脩、岩田慎太郎、田中美和、中村卓郎、永瀬浩喜、高取敦志
    • 学会等名
      第28回日本癌病態治療研究会
  • [学会発表] Development of a novel therapeutic strategy targeting F1174L mutant anaplastic lymphoma kinase gene in neuroblastoma2019

    • 著者名/発表者名
      太田陽子、養田裕行、井上貴博、渡部隆義、篠崎喜脩、高取敦志、永瀬浩喜
    • 学会等名
      第78回日本癌学会学術集会
  • [学会発表] 神経芽腫のALK遺伝子異常を標的とした新規治療薬開発2019

    • 著者名/発表者名
      太田陽子、養田裕行、井上貴博、渡部隆義、篠崎喜脩、高取敦志、永瀬浩喜
    • 学会等名
      第61回日本小児血液・がん学会学術集会

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公開日: 2021-01-27  

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