研究課題/領域番号 |
19J11913
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
LI Yemei 東北大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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キーワード | 嫌気性MBR / 生ごみ / 下水汚泥 / メタン発酵 / 廃棄物処理 / エネルギー |
研究実績の概要 |
(1)AnMBR法による生ごみと下水汚泥の高温混合発酵。生ごみと下水汚泥のTS比を100:0、75:25、50:50および0:100に変化させて連続実験を行いました。高温高固体濃度AnMBRシステムにより、生ごみと下水汚泥の単独発酵と混合発酵はそれぞれ長期的安定運転ができた。単独発酵では、生ごみは下水汚泥より分解率が高いので、ガス生成速度も高かった。混合発酵では、下水汚泥比率によってバイオガス生成速度は大きく変化し、汚泥比率が高いほどガス生成速度が低下した。下水汚泥率25%の混合発酵が最適な混合率です。 (2)生ごみと下水汚泥の混合発酵における中空糸嫌気性AnMBR運転の最適化。膜リアクターの異なる固体濃度下で、最適な膜運転モード及びフラックスを分析した。膜リアクターの固体濃度が30、25、20、15 g/Lの場合、最適な運転モードはそれぞれ3:2、4:1、6:1、9:1(濾過時間:休止時間,分)でした。対応するフラックスは、それぞれ6.0、9.6、12.9、16.2 LMHでした。この結果は、中空糸嫌気性AnMBRの設計と運転に役立ちます。 (3)高温高固体濃度条件下でAnMBRの膜による除去率。長期間の運転中、膜は、消化汚泥中の浮遊固形物だけでなく、可溶性有機物も除去できます。膜により、可溶性CODの約70%、可溶性炭水化物の80%、および可溶性タンパク質の17%が除去されました。膜は可溶性タンパク質より可溶性炭水化物に対して強い除去効果を持っています。この結果は、膜ファウリングの制御に役立ちます。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2019年度においては、(1)AnMBR法による生ごみと下水汚泥の混合発酵システムの安定性を評価する、(2)混合発酵における中空糸AnMBR運転の最適化、(3)高濃度AnMBRの膜ファウリングの状況を把握するなどの項目に分けて研究を進め、それぞれ具体的な成果を上げることができた。 (1)AnMBR法による生ごみと下水汚泥の高温混合発酵についての研究では、さまざまな混合比で生ごみと下水汚泥の混合発酵を評価した。高温高固体濃度AnMBRシステムにより、生ごみと下水汚泥の単独発酵と混合発酵はそれぞれ長期的安定運転ができた。混合発酵では、下水汚泥比率によってバイオガス生成速度は大きく変化し、汚泥比率が高いほどガス生成速度が低下した。下水汚泥率25%の混合発酵が最適な混合率です。 (2)混合発酵における中空糸AnMBR運転の最適化についての研究では、膜リアクターの異なる固体濃度下で、最適な膜運転モード及びフラックスを分析した。膜リアクターの固体濃度が30、25、20、15 g/Lの場合、最適な運転フラックスは、それぞれ6.0、9.6、12.9、16.2 LMHでした。この結果は、中空糸嫌気性膜バイオリアクターの設計と運転に役立ちます。 (3)高濃度AnMBRの膜ファウリングの状況についての研究では、高温高固体濃度条件下での膜による除去率を分析した。長期間の運転中、膜は、消化汚泥中の浮遊固形物だけでなく、可溶性有機物も除去できます。膜は可溶性タンパク質より可溶性炭水化物に対して強い除去効果を持っています。この結果は、膜ファウリングの制御に役立ちます。 その結果、第一著者査読付きSCI論文1本、国際会議発表1件、国内学会発表1件と学会受賞1件など多くの成果を上げた。また、関連の研究テーマに積極的に関わり、様々の貢献をした。全体として「当初の計画以上に進展している」と思います。
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今後の研究の推進方策 |
2020年の研究は、AnMBRシステムでエネルギーリサイクルを達成することに焦点を当てます。 本年度の研究目的は、(1)生ごみと下水汚泥の共同消化によるメタン発酵効率の向上、(2)膜透過水中のリン資源の回収、(3)AnMBRシステムの総合評価。 研究計画は以下のとおりです。 (1)嫌気性膜システムと熱分解技術の組み合わせた新システムを確立する。共同消化システムでは、下水汚泥は、生ごみと比較してメタンを生成することがはるかに困難です。 AnMBRシステムでは下水消化の改善が見られましたが、スペースはまだ改善されています。 熱分解処理は、下水汚泥のメタンポテンシャルを改善する効果的な方法と考えられています。2019年度の実験に基づき、下水汚泥は熱分解され、嫌気性膜システムでメタン発酵される。新システムの長期連続運転の安定性を評価する。 (2)嫌気性膜システムと熱分解技術と消化汚泥還流処理システムの複合システムを確立する。システムのメタン分解効率をさらに向上させるために、後処理が検討されています。2019年度の実験に基づき、消化汚泥は熱分解され、メタン発酵のために嫌気性膜システムに戻される。複合システムの長期連続運転の安定性を評価する。 (3)膜透過水からリン資源を回収する方法を確立する。MAPをターゲットとして、膜透過水中のリン資源を物理的および化学的方法で回収する。同時に、膜透過水の水質を改善する。 (4)嫌気性膜システムの安定性とプロモーションの実現可能性を評価する。嫌気性膜発酵システムをミクロとマクロの視点から総合的に評価し、分子生物学的手法を使用してシステム内の微生物群集構造を分析し、生命周期評価を使用してシステムのエネルギー消費バランスを確立し、実生活における嫌気性膜システムの適用の普遍化を促進する。
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