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2020 年度 実績報告書

性染色体にコードされたヒストン脱メチル化酵素によるライディッヒ細胞の分化制御

研究課題

研究課題/領域番号 19J12133
研究機関九州大学

研究代表者

柳井 翔吾  九州大学, システム生命科学府, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2019-04-25 – 2021-03-31
キーワード性染色体 / エピジェネティクス / ライディッヒ細胞 / CUT&RUN
研究実績の概要

性決定遺伝子Sryを有する個体は性染色体構成がXX(メス型)であっても精巣が形成されオスになる。XXオスのライディッヒ細胞では正常なXYオスと比べて、①コレステロール産生系遺伝子群の発現が上昇すること、および ②最初期遺伝子群の発現が低下することを前年度に明らかにした。本年度は、上記の遺伝子発現変動が性染色体上の遺伝子SMCX/SMCY(H3K4脱メチル化酵素)およびUTX/UTY(H3K27脱メチル化酵素)により制御されている可能性を検討した。各遺伝子座におけるH3K4me3レベルをCUT&RUN法を用いて解析したところ、コレステロール産生系遺伝子群におけるメチル化レベルはXXオスで増加していた。この結果は、コレステロール産生系の遺伝子発現がSMCX/SMCYにより制御されている可能性を支持するものであった。また、各遺伝子座におけるH3K27me3レベルも解析したが、こちらについてはXXオスにおける遺伝子発現変動を説明しうる明確な結果は得られなかった。UTX/UTYによる遺伝子発現制御はH3K27脱メチル化活性非依存的に行われる可能性が示唆されている。そこで、UTX-KOマウスおよびUTY-KOマウスを作出し、ライディッヒ細胞を用いて遺伝子発現制御におけるUTX/UTYの機能を解析した。その結果、UTY-KOマウスでは最初期遺伝子群の発現が低下することが明らかになった。すなわち、XXオスのライディッヒ細胞で認められた最初期遺伝子群の発現低下は、Y染色体上の遺伝子であるUTYの欠損に起因していたことが示唆された。UTX-KOによる影響は現在解析中である。
以上の結果から、XXオスのライディッヒ細胞における遺伝子発現変動は性染色体上の遺伝子SMCX/SMCYおよびUTX/UTYによりヒストン脱メチル化活性依存的、または非依存的に制御されている可能性が示唆された。

現在までの達成度 (段落)

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [国際共同研究] KIST(韓国)

    • 国名
      韓国
    • 外国機関名
      KIST
  • [雑誌論文] Gene expression and functional abnormalities in XX/Sry Leydig cells2021

    • 著者名/発表者名
      Yanai S, Baba T, Inui K, Miyabayashi K, Han S, Inoue M, Takahashi F, Kanai Y, Ohkawa Y, Choi MH, Morohashi KI.
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 11 ページ: 719

    • DOI

      10.1038/s41598-020-80741-z

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] GC-MS-based metabolic signatures reveal comparative steroidogenic pathways between fetal and adult mouse testes2021

    • 著者名/発表者名
      Han S, Baba T, Yanai S, Byun DJ, Morohashi KI, Kim JH, Choi MH.
    • 雑誌名

      Andrology

      巻: 9 ページ: 400-406

    • DOI

      10.1111/andr.12893.

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] XX/Sryオスマウスのライディッヒ細胞における遺伝子発現と精巣内ステロイドホルモン量の網羅的解析2021

    • 著者名/発表者名
      柳井 翔吾, 馬場 崇, 宮林 香奈子, Soyun Han, 井上 実紀, 高橋 史也, 金井 克晃, 大川 恭行, Man-Ho Choi, 諸橋 憲一郎.
    • 学会等名
      第28回ステロイドホルモン学会
  • [学会発表] Sex chromosome composition affects gene expression and function in Leydig cells2020

    • 著者名/発表者名
      Yanai S, Baba T, Inui K, Miyabayashi K, Han S, Inoue M, Takahashi F, Kanai Y, Ohkawa Y, Choi MH, Morohashi KI.
    • 学会等名
      第43回日本分子生物学会年会

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公開日: 2021-12-27  

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