研究課題/領域番号 |
19J12155
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
伊藤 悠介 九州大学, システム生命科学府, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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キーワード | 多階層 / ウイルス / 進化 / 数理モデル / in slicoシミュレーション |
研究実績の概要 |
申請課題における研究目的は分子ー細胞ー個体という多階層レベルでウイルス進化を定量的に理解することにある。このために、申請者は数理モデルとin slicoシミュレーションを駆使しつつも、共同研究者と協働し提供されたin vitroデータを活用し定量的な解析を実施してきた。 まず今年度の研究業績として、ウイルス病原性を規定する要因を探索した査読付き英語学術論文を出版した (A. Hara*, S. Iwanami*, Y. Ito* et al.(*Equal contribution), Journal of Theoretical biology, 2019)。そして申請者の研究成果を世界に発信していくために、世界的顕著であるPelerson教授などが参画している4th Workshop on Viral Dynamicsにて査読付きポスター発表を実施した。さらに、申請者が単独企画責任者となり2019年度日本数理生物学会にてカナダ人教授1名・日本人医師1名を含む計5名で 英語でのシンポジウムを企画した(研究発表 参照)。 また上記に加えて、申請者は共同研究を積極的に推進していくために、大型予算の研究課題にも参画し研究成果を報告してきた。例えば、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が企画する JST未来社会創造事業や豊田理化学研究所特定課題に参加し成果を報告してきた(研究発表 参照)。 ここで、申請者の研究課題では医学的な知見も非常に重要になってくる。そのため、これまで申請者が関係性を0から構築していた福岡県内の医療機関と共同研究を実施してきた。なお今年度は臨床・医学的な研究報告もしている(研究発表 参照)。
以上より申請者は今年度申請課題を推進させることに加えて、査読付き英語論文の1報の出版を含む研究成果を出しつつ、大型予算の研究課題や共同研究の展開にも取り組んできた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
申請課題における研究目的は分子ー細胞ー個体という多階層レベルてでウイルス進化を定量的に理解することにある。このために、申請者は数理モデルとin slicoシミュレーションを駆使しつつも、共同研究者と協働し提供されたin vitroデータを活用し定量的な解析を実施してきた。具体的には、共同研究者からウイルス進化に関する継代ウイルス進化実験データを取得した。その継代実験で観測されたウイルス準種のウイルス適応度を導出した。それに基づきプログラミング言語pythonを用いて、in slicoシミュレーションを開発した。ここで今年度申請課題に取り組んだ研究業績として、ウイルス病原性を規定する要因を探索した査読付き英語学術論文を出版した (A. Hara*, S. Iwanami*, Y. Ito* et al.(*Equal contribution), JTB, Oct, 2019)。そして申請者の研究成果を世界に発信していくために、ウイルスダイナミクスの世界的顕著であるPelerson教授などが参画している4th Workshop on Viral Dynamicsにて査読付きポスター発表を実施した。さらに、申請者が単独企画責任者となり2019年度日本数理生物学会にてカナダ人教授1名・日本人医師1名を含む計5名で 英語でのシンポジウムを企画した(研究発表 参照)。また申請者自身の研究課題に加えて、申請者は共同研究を積極的に推進していくために、日本国内の大型予算の研究課題にも参画し研究成果を報告してきた。例えば、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が企画する JST未来社会創造事業や豊田理化学研究所特定課題に参加し成果を報告してきた(研究発表 参照)。
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今後の研究の推進方策 |
申請時の研究計画に沿って研究を実施していく予定である。具体的には、in slicoシミュレーションから擬似配列データを生成する。継代ウイルス進化実験データを満たすようなウイルス準種の進化動態に関する指標を開発することに取り組む。生成した擬似配列データと継代ウイルス進化実験データを用いて、データ解析を実施する。準種理論の基本的予測を行う。そして、2020年度の研究成果を査読付き英語学術論文として出版する。また、新型コロナウイルス 感染症による学会開催の有無に強く依存するが、国際学会で研究報告することも予定している。同様に国内の学術集会・研究会での成果報告も実施する。さらに、DC2終了後(2021年4月以降)の研究者としてのキャリアアップを目指し、大型予算の公開シンポジウムや研究集会に参加・研究報告を展開していく。なお共同研究先との兼ね合いで新興感染症のデータ分析も必要であれば実施することも検討している。4月現在で既にプレプリントとして、共著論文を提出している(doi: https://doi.org/10.1101/2020.04.14.039925)
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