研究課題/領域番号 |
19J12372
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
臼居 優 大阪大学, 生命機能研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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キーワード | ゼブラフィッシュ / 色素細胞 / ギャップジャンクション / コネキシン |
研究実績の概要 |
本研究はゼブラフィッシュの体表模様形成機構の解明を通じて、生物が「形と大きさ」を決定する仕組みの理解を目指している。初年度は、ゼブラフィッシュの色素細胞間に形成されるギャップジャンクションネットワークについて研究を行った。 ゼブラフィッシュの体表模様形成には、ギャップジャンクションタンパク質のCx39.4とCx41.8が重要な役割を担っている。そこで縞模様形成に必要なギャップジャンクションネットワークの要素を理解するため、遺伝子改変ゼブラフィッシュラインを樹立して、コネキシン再構成実験(レスキュー実験)を行った。まず、黒色素細胞あるいは黄色素細胞特異的にcx39.4またはcx41.8を発現する4種類の遺伝子改変ゼブラフィッシュをcx39.4とcx41.8の二重変異体バックブランドで作製した。次に作製した系統を掛け合わせることにより、黒色素細胞で1種類、黄色素細胞で1種類のコネキシンを発現する二重遺伝子改変ゼブラフィッシュを取得し、それらの体表模様を観察した。その結果、黒色素細胞にcx39.4、黄色素細胞にcx41.8が同時に発現する条件でのみ縞模様を示し、そのほかの組み合わせでは縞模様を示さなかった。これらの結果は、ゼブラフィッシュが縞模様を形成するために、黒―黒色素細胞間にはCx39.4-Cx39.4、黄―黄色素細胞間にはCx41.8-Cx41.8、黒―黄色素細胞間にはCx39.4-Cx41.8からなるギャップジャンクションネットワークの構築が必要であることを示唆している。 また、色素細胞間に形成されるギャップジャンクションを観察するため、蛍光タンパク質を融合したコネキシンを発現する遺伝子改変ゼブラフィッシュを作製した。その結果F0世代において、色素細胞間にギャップジャンクションプラークを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は色素細胞間のギャップジャンクションネットワークに関わる研究業績として論文(1報)と日本語解説(1報)を発表した。 またC末端領域に蛍光タンパク質を挿入したコネキシンを発現する遺伝子改変ゼブラフィッシュ(F0)の色素細胞を蛍光顕微鏡で観察したところ、ギャップジャンクションプラークの検出に成功した。このコネキシンが機能的なギャップジャンクションを形成するのか確認するため、現在、遺伝子改変ゼブラフィッシュラインを取得し、解析を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
今後はギャップジャンクションの可視化系統を樹立し、C末端領域に蛍光タンパク質を挿入したコネキシンの機能評価を行う。 先行研究において、Cx41.8の全長配列にEGFPを融合したところ、ギャップジャンクションを形成しないことが報告されている。さらにCx41.8とCx39.4のC末端領域は、タイトジャンクションタンパク質(Zo1)と結合することも報告されている。これらの研究結果は、Cx41.8やCx39.4のC末端領域の修飾により、これらギャップジャンクションの局在制御や形成効率が変化する可能性を示唆している。そこでギャップジャンクションネットワークの可視化と並行して、C末端領域の機能解析も進めていく。
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