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2020 年度 実績報告書

ポリネシア人はなぜ背が高いのか。-ポリネシア人における正の自然選択の検出-

研究課題

研究課題/領域番号 19J12435
研究機関東京大学

研究代表者

一色 真理子  東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2019-04-25 – 2021-03-31
キーワードポリネシア / オセアニア / 自然選択 / ゲノム / 混血
研究実績の概要

ポリネシア人の祖先はアジア起源の集団であり、彼らはポリネシアへの移住の過程でニアーオセアニアにおいてパプア系の集団と混血したと考えられる。しかし、ポリネシア人は遺伝的に近いとされる他のアジア集団やオセアニア 集団と比べ、約10cm高い平均身長をもっており、混血後何らかの要因で高身長化が起こったと考えられた。本研究では、『ポリネシア人の高身長化は、身長を高くする効果のあるパプア人由来の多型、あるいはポリネシア人特異的突然変異が、正の自然選択によって集団中に広まったために起きた』という仮説を立て、検証を行った。
前年度までに、ポリネシア集団トンガ、パプア集団ギデラに対し全ゲノムシークエンスを行い、取得済みのDNAチップによる全ゲノムSNPデータとともに解析を行い、ポリネシア人ゲノム中の自然選択がはたらいた領域を検出した。
本年度は、前年度に検出した領域に存在し、身長に影響をあたえているオセアニア特異的な候補多型を、integrated Haplotype Score(iHS),Fst,非同義置換かどうか、などの指標から選出、関連解析を行ったが、本研究の仮説を満たすような遺伝的多型は見つからなかった。
そこで、少数の多型ではなく複数の多型に自然選択がかかっていた(Polygenic selection)可能性を検証することとした。
これまでにゲノムワイド関連解析( UK BioBank、 BioBank Japan)によって報告されている身長関連多型のポリネシア集団におけるFstの値を調べたところ、ゲノム全体からランダムにサンプリングした場合に比べて、身長関連多型の平均Fst(対CHB)の値は有意に大きくなっており、ポリネシア集団において身長への Polygenic selectionが起きていた可能性が示唆された。

現在までの達成度 (段落)

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] HLA class II 領域に作用したパプア集団特異的な自然選択2020

    • 著者名/発表者名
      一色真理子 ,大橋 順
    • 雑誌名

      Major Histocompatibility Complex

      巻: 27(2) ページ: 53-58

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Prefecture-level population structure of the Japanese based on SNP genotypes of 11,069 individuals2020

    • 著者名/発表者名
      Watanabe Yusuke、Isshiki Mariko、Ohashi Jun
    • 雑誌名

      Journal of Human Genetics

      巻: 66 ページ: 431~437

    • DOI

      10.1038/s10038-020-00847-0

    • 査読あり
  • [学会発表] 日本人の身長の遺伝的背景2020

    • 著者名/発表者名
      一色真理子、渡部 裕介、大橋 順
    • 学会等名
      日本人類学会

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公開日: 2021-12-27  

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