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2019 年度 実績報告書

太古代生命圏の再検証: 生体必須元素に着目して

研究課題

研究課題/領域番号 19J12914
研究機関東北大学

研究代表者

塚本 雄也  東北大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2019-04-25 – 2021-03-31
キーワードマンガン / リン / 海底熱水活動 / 太古代 / マンガン酸化菌
研究実績の概要

地球生命の進化を考える上で、地球表層環境における生体必須元素の挙動を理解することは必須である。この中にはリンとマンガンのように海洋や大気ではなく岩石に多く保存されているものがあり、これらの元素の岩石から海洋、そして生命圏までの挙動はほとんど理解されていない。そこで本研究は現世と太古代における海底熱水活動に伴うマンガンとリンの挙動について理解することを目的とした。
まず、秋田県北鹿地域に産する1200万年前に形成したマンガン酸化物の成因と微生物の形成に対する関与を理解するために、地質調査と採取した岩石サンプルからマンガン鉱物の種類や化学組成などを走査型電子顕微鏡やラマン分光分析を用いて明らかにした。またマンガン酸化物と炭素からなるコロフォーム構造を発見した。これは過去に報告例がなく、透過型電子顕微鏡によるナノスケールの観察結果などから、マンガンをエネルギー源とする微生物マットの痕跡であると結論づけた。これらの成果はOre Geology Reviews誌にて報告した。次に西オーストラリア・ピルバラで見られる34.6億年前ごろに形成したApex Basaltを調査した。Apex Basaltは当時の海洋底を構成していた玄武岩であるとともに、同時期に起こった海底熱水活動の影響を受けている。今回は形成後の変質や風化の影響の少ないドリルコア(ABDP#1)を用いて、リンとマンガンの元素濃度プロファイルや鉱物観察を踏まえて海底熱水活動に伴う両元素の挙動を研究した。その結果、リンとマンガン濃度の減少と熱水変質の度合いは相関していることがわかった。また鉱物種の変化もこの結果を支持した。本研究で初めて、当時の海底熱水活動がマンガン・リンの供給源となりうることを明らかにした。
本研究によって、海底熱水活動に伴うマンガンとリンの岩石から海洋、そして生命圏への挙動を明らかにした。

現在までの達成度 (段落)

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

今後の研究の推進方策

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Geochemical and mineralogical studies of ca.12?Ma hydrothermal manganese-rich rocks in the Hokuroku district in Japan2020

    • 著者名/発表者名
      Tsukamoto Yuya、Nonaka Kenta、Ishida Akizumi、Kakegawa Takeshi
    • 雑誌名

      Ore Geology Reviews

      巻: 121 ページ: 103539~103539

    • DOI

      10.1016/j.oregeorev.2020.103539

    • 査読あり
  • [学会発表] hosphate Flux from Oceanic Crust to the Archean Oceans: Evidence from the 3.46 Ga Apex Basalt2019

    • 著者名/発表者名
      Tsukamoto, Y., Kakegawa, T., Graham, U., Liu, Z., Ito, A., Ohmoto, H.
    • 学会等名
      Goldschmidt Conference 2019
    • 国際学会
  • [学会発表] Significances of 12 Ma manganese ores in the Hokuroku district, Akita: unique Mn accumulation and interaction with organic matter during submarine hydrothermal activities2019

    • 著者名/発表者名
      Tsukamoto, Y., Kakegawa, T
    • 学会等名
      Japan Geoscience Union
  • [学会発表] Impact-induced magmatism on early Earth2019

    • 著者名/発表者名
      Ohmoto, H., Uschi, G., Tsukamoto, Y., Watanabe, Y., Kakegawa, T., Hamasaki, H., Andrew, C., Katherine, C., Liu, Z
    • 学会等名
      Japan Geoscience Union

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公開日: 2021-01-27  

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