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2019 年度 実績報告書

ノロウイルス低蓄積性の牡蠣が消化組織に発現している糖鎖の特徴づけ

研究課題

研究課題/領域番号 19J13607
研究機関岩手大学

研究代表者

伊藤 絵里香  岩手大学, 大学院連合農学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2019-04-25 – 2021-03-31
キーワードノロウイルス / 養殖牡蠣 / 糖鎖構造解析 / レクチンアレイ
研究実績の概要

牡蠣のノロウイルス汚染においては、牡蠣が体内に有している糖鎖にノロウイルスが結合することが明らかになっている。一方で、我々の長年の研究により、養殖牡蠣のウイルス蓄積量には個体差がある可能性が示されている。牡蠣のウイルス蓄積に糖鎖が関与しているのであれば、ウイルス蓄積量に差があった牡蠣個体では、体内に発現している糖鎖の構造が異なっているという仮説を立てた。この仮説を実証するため、はじめに牡蠣体内に蓄積されるノロウイルス量には個体差があるかどうかを調査した。海水にノロウイルスGIおよびGIIを添加し、その海水中で養殖牡蠣20個体を3日間飼育した。飼育後海水から牡蠣を取り出し、各個体に蓄積されたノロウイルス量を明らかにした。ノロウイルスGIとGIIのどちらも、最もウイルス蓄積量の多い個体と少ない個体で1000倍以上の差があり、牡蠣のノロウイルス蓄積量には個体差があることを実証できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画では、本年度中に人工汚染実験後の牡蠣のノロウイルス蓄積量を明らかにし、さらに体内に発現している糖鎖構造の解析までを行う予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により、ウイルス分析にかかわる試薬の需要が大きく高まったことから、本研究で用いているRNA抽出試薬の入荷が大幅に遅れた。そのため本年度は牡蠣のノロウイルス蓄積量の分析までを行い、糖鎖構造解析は次年度に行うこととした。本来の計画から1か月程度の遅れが生じたが、今後行う分析などのスケジュールには大きな影響はなく、本研究の遂行に支障はないと考えている。

今後の研究の推進方策

今年度得られた結果をもとに、ノロウイルス蓄積量の多い牡蠣及び少ない牡蠣の選別を行い、それぞれの体内に発現している糖鎖構造の解析を行う。解析には特定の糖鎖構造に結合する物質のレクチンを用いたレクチンアレイ解析により、各レクチンの反応強度を測定することで、多く存在した糖鎖の構造を明らかにする。得られた解析結果を統計的に分析し、ウイルス蓄積量との関連性があるかどうか検討する。

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公開日: 2021-12-27  

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