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2020 年度 実績報告書

X線偏光による強磁場中性子星連星の放射領域の幾何構造の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19J13685
研究機関国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

研究代表者

内田 和海  国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 研究員

研究期間 (年度) 2019-04-25 – 2021-03-31
キーワード中性子星 / 連星 / 降着 / 磁場 / 偏光
研究実績の概要

中性子星は、太陽と同程度の質量を持ちながら、その半径が約10km程度と非常に密度の高い天体である。また、1万~1000億テスラにも達する強い磁場を持ち、それによって生成される異方性を持った放射は、天体の自転によって、パルス状のX線放射を生み出す。これらのことから中性子星は、地上では実現できない強重力場、高密度、強磁場等の極限環境を兼ね揃えた、最適の実験施設と言える。一方で、なぜ中性子星が強い磁場を持つのか、そしてその磁場が7桁にも及ぶ分布をしている理由は、まだ分かっていない。この謎に強力にアプローチできるのがX線偏光観測であり、2021年末に打ち上げられたX線偏光観測衛星:IXPEに期待が高まる。我々は、この偏光観測と相補的に、従来の衛星アーカイブデータ解析に新たな理論モデルを追加することによって、中性子星の磁場進化の解明を目指している。
本研究では、他の恒星のガスを中性子星が重力的に吸い込むことによってX線を放出する、降着型中性子星連星:IGR J00370+6122に着目した。本天体は非常に光度が暗く、スピン周期が遅い(346秒)ことで知られている。今回新たに、XMM-Newton, Suzaku, Swift, INTEGRAL, RXTE衛星のデータを総合的に解析した結果、本天体は、先行研究で報告された2倍のスピン周期(674秒)を持ち、連星の近星点と遠星点でのX線光度の差は、毎周期で定常的に3桁にも及んだ。この非常に遅いスピン周期と3桁の光度変動は、強磁場によって降着が阻害されると同時に、降着物によって中性子星の角運動量が奪われることによって生じていると解釈すれば説明がつく。このことから計算した磁場は1000億テスラにも及び、この磁場強度を持つ降着型中性子星は、未だ数例しか報告がない。この結果については、査読論文に投稿するとともに、天文学会でも発表を行った。

現在までの達成度 (段落)

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A study of the accretion mechanisms of the high-mass X-ray binary IGR J00370+61222021

    • 著者名/発表者名
      Nagomi Uchida
    • 雑誌名

      Publications of the Astronomical Society of Japan

      巻: 73 ページ: 1389-1404

    • DOI

      10.1093/pasj/psab083

    • 査読あり
  • [学会発表] 大質量X線連星:IGR J00370 + 6122における中性子星への降着幾何と磁場強度の推定2022

    • 著者名/発表者名
      内田和海
    • 学会等名
      日本天文学会2022年春季年会

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公開日: 2022-12-28  

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